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「やあ、よく来てくれたね」
青原は、プロデューサーたちを含めた企画会議の始まる前に、隼人と比呂の二人だけを呼び出した。
「青原さん。この度は、私を起用いただき、ありがとうございます」
「まぁ、そんな堅苦しい挨拶は、抜きで」
「僕はなぜ、呼ばれたのかな?」
「比呂くん。今から説明するよ」
そんな風に、青原は実に気軽で、ご機嫌な様子だった。
しかし、呼び出された場所が、妙だ。
スタジオ青原の会議室ではなく、特大サイズの第9ステージ。
縦40m、横30mの広さを誇るが、まだ器材もセットも無く、がらんとしている。
三人以外は、人の気配が全くうかがえないのに、青原は明るく声を張った。
「みんな、出て来てくれ! 新しい仲間を、紹介しよう!」
隼人と比呂は息を飲んだ。
その掛け声に応えて、大勢の人々が現れたのだ。
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