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第13話 また、したかった。
ふわふわに仕立てた泡で彼の身体を撫でると、ピクって彼が眉間に皺を寄せてた。
手のひらに感じてくれてるのが嬉しくて、もっとしてあげたくなった。
「……ぁ……ン、ン」
口でたくさんしてあげたくなった。
舌を絡めて、先端から根本まで、全部、たっぷりしゃぶりつきたくなった。
「ンんっ」
彼に、とろけるくらい気持ち良くなって欲しくて、舌で唇で丁寧に愛撫していった。
「は……む……ン、ン」
頬を窄めながら扱いてあげながら、喉奥までいっぱいにしゃぶりつく。ちらりと上目使いで見上げれば、シャワーで濡れた黒髪の先端から雫が落っこちてきた。
「ごめん。目に入った?」
「ンン」
大丈夫、って首を僅かに横に振ると、俺の目元を優しい指先が拭ってくれる。
ヤバいよね。
親指でさ、目元を撫でられただけでゾクゾクした。大きな手のひらに頬を包むように触れられるだけで、お腹の底のとこがキュッて切なくなった。足元にしゃがんでる俺を見つめる時、俯いて、濡れた黒髪が彼の表情に影を作った。
普通にしててもかっこいいのに、ドキッとする表情で、俺のことだけ見つめてる。その視線に身体の奥が燻る。
「っ、ん、ン」
あとで――。
「ン、ふっ……ン、ん」
今、しゃぶりついてる熱いので、貫かれる身体の奥がキュッて。
「麻幌さん」
「あっ……待っ、まだっ」
「ありがと」
「ちょ、わっ」
びっくりして暴れそうになった、じゃん。
まさか抱き抱えあげられるなんて。
「ね、重いって」
「全然」
彼は俺を抱き抱えたままバスルームを出ていく。途中、ガラスの扉のところに引っ掛けられていたバスタオルで俺のことを包んでから、そっと。
「わっ……」
ベッドに寝かせられた。
まるで、宝物を綺麗に洗って拭いて、自分の所にしまうみたいに覆い被さったりするのとか。
なんか、そういうの。
ダメかも。
「あっ……ン」
ほら、だから首筋にキスしてもらっただけで、クラクラするほど感じてる。
「あぁっ……ン、ん」
この間と一緒だ。
こっちが欲しくなる。仕事なのを忘れて、いつもなら次はこれして、あれして、あとは……って、考えるのに。
頭の中にあるのは。ただただ、彼に、芝くんに、して欲しいってことだけになる。
「シャンプーの匂い」
「あっ」
髪にキスされるだけでのぼせそう。
「……興奮する」
「あぁっン」
「シャワーしてるとこ見ながら」
「あ、あぁっ」
「早く触りたいって思ってた」
低い声にさえ感じて。
「麻幌さん」
「あっ」
キスがゆっくりと下に降りてく。首筋、鎖骨、胸、乳首。
「あっあぁ、ンっ」
乳首だけは舌で焦がすように、硬くなった粒をいじめられた。敏感ってキスしながら呟かれて、甘噛みされるだけでも、イきそうなくらいに気持ち良くて。
「あ、もっと、噛んっ、ぁ、あぁっ」
それ、たまんない。
優しく噛まれると、気持ちが蕩けてく。指で強く摘まれてても、舌で優しく撫でられても、彼の愛撫はたまらなく甘くて。
肌にたくさん触れる唇が震えちゃうくらいに気持ちいい。もっと、キスして欲しい。芝くんの指で、唇で、肌で、俺に触って欲しい。中も、全部、芝くんに――。
「!」
キスがおへそ、下腹部、そして、足の付け根に触れた。
「っ」
キスマは、ダメ、って、言わないと。
「……っ」
明日、他のお客さんとする時に、前のお客さんのキスマなんてあったら、しらけるでしょ? だから、キスマは、ダメって言わないと。
「っ、あっ」
付けたらダメって。
けど、言葉が出てこなくて、射抜くように見つめる彼の眼差しに、ただただ溺れてくみたい。
「あ、ああぁ……ン」
手を伸ばそうとしたら、その手を捕まえられて、指先を絡め取られた。
「あっ、ンっ」
芝くんがキスじゃなくて、舌先で太腿の内側を舐めた。
「や、俺のは、いいってば」
「……」
「ね、芝くんっ」
そのまま、舐められて、チカチカしてくる。
「あ、あぁっンっ」
彼の口の中が熱くて、頭の芯が沸騰しそう。
「あっ、あっ」
溶けちゃうってば。
「あ、芝くんっ、ダ……メっ……ぁあっ」
も、無理。
「芝く……ン」
奥が疼いてたまんない。
「ね……」
足の間にある彼の濡れた黒髪に指を絡めた。足を大胆に開いて、つま先立ちになりながら、腰をくねらせて、彼の口元を目で追いかけて。
「来て、よ……奥、おかしくなりそ……」
ヒクついてる。
早く、ここ抉じ開けて。
「芝くんの、欲し……」
早く、欲しい。
ちょうだい。
熱くて、硬くて、大きいので、俺のこと。
「ン……」
キスしてくれた唇に舌先を差し込んで、腕を首に絡ませて、足をいっぱいに開いた。
「あっ」
彼のが挿れやすいように。
「あ、あ……あぁぁっ」
深く、奥まで抉じ開けてもらえるように。
「あっ、あっ……ぁっ」
彼に全部でしゃぶりついた。
「麻幌さん……中」
「ぅ、ン……」
抉じ開けられた瞬間、イってた。
「最高」
「あっ、あっ」
「動くよ」
「あ、ン……あぁっ」
濡れた音が部屋に響く。
「あ、気持ち、いっ、あ、もっとっ」
挿入を繰り返すやらしい音。
「あ、ン、芝くんっ、あ、そこっ、また、イッ……ン、ん」
甘ったるい声を、気持ちいいって呟く言葉を、彼のキスに食べられる。
「あっ、ンっ」
このセックスが欲しかった。
彼がくれる、快感をまたしゃぶりたかった。
「あ、気持ち、イッ」
彼とセックスが。
「芝くんっ」
したかった。
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