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第13話 普通のセックス、しよ!
僕らは結局、食い物無くなるまで別荘で休み、4日目に何とか帰り着いた。
僕は長距離ドライブで座っていられず、ずっと後部座席で横になっていた。
乱暴水城野郎はあの後は随分優しく元の水城に戻ってくれた。
別荘での夜は、もうセックス出来ない状況だったので、優しく僕をお風呂入れて居間でくつろぎ、ベッドでしばらく抱き合って寝る。それの繰り返しだった。
水城のチンチンも腫れが引くのに3日かかり、もう懲りたと反省している。
いや、反省とか信じらんないし。
もうずっと腫れててもいいような気もする。僕はまだお尻が痛くて座れない。
僕は家に帰ると早速水城が言ってたセックスの本を本の後ろから探し出し、本人了解の上でとにかく苦痛しか無かった体位のページを接着して閉じた。
何が最高の快楽だっ!!ウソ書きやがって殺す!!死ぬかと思った!!
いや、ほんとは捨てるつもりだったんだけど、あまりに読み込んだヨレヨレで、これ大事なおかずだったんだなあと思うと接着の刑で許してあげた。
その後、僕は無事に入学して、水城もスーツ新調して新しい学校に先生として就職した。
水城はしばらく忙しくて帰りも遅くなったけど、僕といるのが幸せだから乗り越えられるとか、グフフフフ、そんな感じでラブリーな日々を送り始めた。
これだろ、普通これだろ!ラブリーな新婚生活!
あの激烈な初体験から3週間ほどたって、お尻は痛みが引いたけど、なんか僕はあまりにも想像とかけ離れた経験で、セックスが怖くなっていた。
水城は僕をいたわって、手を出してこない。
時々、互いに口でやってたけど、それ以上は進まなかった。
僕が恐怖感抱えてるのは、水城も薄々感じてるようで、無理強いせずに時々トイレで済ませてるようで心苦しい。
まあ、原因はキミだし。うん、反省してよね。
学校から帰って、買ってきた本を見る。
窓から外の天気を見ていると、夕暮れがきれいだ。雲が流れて形を変えて行く。
そうだね……いつまでも、このままって訳にいかないよね。
「今日は、金曜だし、うん、そうしよう」
水城が帰る前に、お尻を洗浄しとく。
これだけは、何度もやってたので、妙に手慣れてしまった。
どうすれば綺麗になるか、腸から直腸まで液漏れしてこないか、もう2年研究してきた。
コッソリそんな洗浄器具も色々通販で買って、試したりしてた。
そのくらいしかやること無かったし。
晩ご飯はテイクアウト買ってくるってラインで連絡あったので、サラダ作って待っておく。
やがて帰ってきた彼と、ご飯食べてしばらく歓談して過ごした。
学校の教頭先生が意外と厳格で厳しいって言ってたんだけど、でも今日は昼にプリンもらったんだって。
意外と優しい人かもって、プリンでつられてて笑った。単純な奴~
「今日は早く寝よ」
「え?明日どっか行く?」
首を振って赤い顔でギュッと股間に手をやり声を出さず口を動かす。
“ セックス、しよ ”
彼の顔が、赤くなって思わずキョロった。
ここ、自分の家だろ?なんで見回すんだよ
「い、い、の?無理しなくても」
「もう大丈夫みたい。普通にしてくれれば」
「も、ちろんだよ。あの時は僕もどうかしてた。君を尊重する」
「よし!オッケー。じゃあお風呂に入ろう。
でもお風呂セックスは……本番は無しね」
「わかった。お風呂で本番は無し」
お風呂は、2人でもゆったりしてる広さがあるので、良く2人で入る。
でも、なんとなく怖くなって、僕が水城を洗うようになっていた。
それは、決める優先権を僕に与えて、水城は僕の気持ちに配慮してくれた。
今夜は、もちろん洗ってもらう。
少し、なんだか緊張する。
前の椅子に座って水城を振り向いて見る。
「うふふ、なんか洗ってもらうの久しぶりだね」
「そうだな~、僕はずっとお預けだったよ」
「キスして」
「いいよ」
僕がゆっくり彼にもたれると、彼がそうっと唇を合わせてくる。
チュッと唇を吸い、水城が後ろから抱きしめると頬を合わせてきた。
「愛してるよ」
「知ってる」
「ひどいなー、僕には愛してるって言ってくれないの?」
クスクス笑って身を起こし、シャワーを手に取った。
「ベッドまでお預けでーす!」
身体を洗ってもらって、お湯に浸かる。
浸かってる間、水城が身体を洗う。
お風呂に入ったまま手を伸ばし背中を流してあげて、泡取って胸までなで上げる。
乳首くりくりして、股間に手を伸ばす。
「わー、ヤバいです、麻都くん、ヤバいです」
「ひひひ、せんせー、生徒に手を出してないですかー?」
「出すわけ無いでしょ!怒るよ」
「はーい、合格ー」
ドボーンと湯船に入る。
ムスッとしてシャワーでぬるい湯を流し、股間に水かけて冷やしてる。
おかしくて、バシャバシャバタ足した
「もー腹立つなー、水攻撃だ!」
「ギャー冷たっ!」
シャワーで水をかけられ、冷たさに悲鳴を上げた。
まるで子供みたいに風呂で騒いで、ゲラゲラ笑う。
並んでガシガシ歯を磨いてキスすると、水城が舌を入れてきた。
歯磨き粉のミントの味の口の中で、グチュグチュベロで歯茎をなめ合う。
ぷはっと離れると、お互い口の周りが真っ白で笑った。
「歯磨きキスなんてさー、最初どっちからしたっけ?」
「麻都じゃん、こう言う馬鹿なこと考えんの。歯磨きフェラはお断りです」
そうだっけ。
上がってタオルで身体を拭いてると、水城が背中を拭いてくる。
僕も彼の身体を拭いて、ほっかほかの身体で抱き合った。
風呂上がりに抱き合うの好きだ。
もう一度、普通のキス。
舌を絡ませ、舌を吸われて舌を吸う。
ああ、気持ちいい。
水城がそのまま首筋までなめてくる。
「ベッド行こ」
「うん、そうだね」
水城がヒョイと僕の身体を抱き上げ、ベッドルームに向かう。
「自分で歩くって~」
「いいの、抱っこしたいから」
器用にドアを開けて僕の身体をベッドに横たえると、ハアッと息を突く。
「麻都大きくなったよなあ。中坊の時は軽かったのに」
「当たり前じゃん、大人だよ?18成人!」
「そうだった、成人式今度の正月だっけ?」
「そうだね、何着よ」
「振り袖買いに行こうか!」
「ばーか、スーツ作ろうかな。カッコいいの」
「いいね、きっと大人に見えるよ」
「ひっど!なにそれ!」
水城はクククッと笑って、今度は本当に深い口づけをしてきた。
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