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第4話 すき ※R18

 あれから俺は、夏彦の家には入り浸ってはキスをしたり、夏彦の身体を触ったりしていた。  習い事で夏彦がうちに来る場合は俺の部屋に連れ込んで、何度も何度も、繰り返し事に及ぶ。  夏彦もいつの間にかそれに慣れて、自分から俺にノってくるようになっていた。  ベッドの上で仰向けになった夏彦がシャツを首までたくし上げ、口で咥える。 「乳首、触んぞ」 「……駄目、ぁっ」  拒否はするものの、決して抵抗はしない。  しかもそっちの才能があるのか、乳首で感じるらしい。  夏彦の乳首をくにくにと押し潰して夏彦の反応を見たら、中心は触らないように鍛えた胸筋をぐっぐっと揉んでやる。先端には触らないように乳輪をこりこりと指でつまむ。 「っ……く……ん」  いつも声がでかい夏彦は、こういう時だけは声を我慢する。  噛んだ服の裾が唾液で染まっていく。  俺は夏彦の胸に顔を近付け、お預け状態だったその先端に口で吸いついた。 「~~~っ!う!く、ぅっ……」  びくんと夏彦の身体が大きく跳ねる。噛んだ服を食いしばり、目が大きく見開いている。  もう片方の乳首を指で弄りながら、吸い付くだけでなく、硬くした舌でちろちろと舐め上げて、時々歯で甘噛みしてやる。 「んっ、ん、んう……く」  夏彦の目がトロンと溶けていく。目尻に涙が滲んでいる。  下を見ると勃起しているのが見えたが、今は胸。  俺はその後もしつこく焦らし、最後に歯で噛んで、もう片方は指で捻り上げた。 「あっ!!!~~~ぁっ」  大きな喘ぎ声をあげて噛んでいた服がパサリと下に落ちる。 「今、イッた?」  そう聞いてカチャカチャと夏彦のベルトを外そうとする俺に、夏彦は「だ、だめだ、触るなっ久世!優雅!!」と制止しようと腕を伸ばしてきたのをパシンと叩き落としお構いなくスラックスを寛げ、パンツを引っ張って中を見る。 「乳首だけでイケるって……マジ、変態」  中はどろりと白いものがパンツと夏彦のものの先端から糸を引いていて、パンツの中はどろどろだ。 「うっ……ひぐ……」  涙目だった夏彦が今度は本当に泣き始めた。 「でも、チョー可愛い……ナツ、よく頑張ったな。気持ちよかったな?」  よしよしと頭を撫でて涙を舌で舐めとってやる。 「こないだからっ……こんなことばっかりして……っ好きになったらどうしてくれる!」  泣きながら夏彦が枕を俺にぶん投げた。  男の全力投げなので俺は枕の勢いで後ろに倒れる。 「ぐほっ……」  もう何度も俺に身体を許しているくせに、俺を好きだと認めようとしない。 「好きになったらって……お前もう、俺のこと好きだろ?それともお前は嫌いな奴にこんな事させんの?」 「させるわけな……」 「だったら俺は?」 「……」 「好き?嫌い?」 「好きでもないけど嫌いでもな」 「好きだろ」  食い気味に被せる。  夏彦を見下げるように目を細めて、冷ややかな目で言ってやる。 「お前はー、好きでもねー奴にキスして、好きでもねー奴に乳首弄らせて、好きでもねー奴に触られて勃起してイケるような奴なんですか?そんな奴だったんだ?」 「ちがっ」 「じゃ、好きだろ」 「……」 「な?ナツ言えって」 「…………すき」  小さな声で零されたその言葉は、震えていた。  俺はこれからもこの方法で、夏彦に俺が好きなのだと刷り込み続けるだろう。 それでもいい。  俺は夏彦にちゅっとキスをした。  夏彦は、泣くだけで抵抗しない。  ひんひんと泣く夏彦の涙を指ですくってやる。 「今日はこれ以上しねーから。泣き止め。なっ」 「今日はってなんだっ。明日は何かするのかっ!」  余計に泣く……。  毎日部屋に押しかけているので当然だが、明日もこれが待っていると夏彦もわかっているのだろう。 「大丈夫だって。気持ちいーことだけ。な?ナツ」  ちゅっ、ちゅっとおでこ、ほっぺた、鼻先にも、キスを落としてやる。  泣いていた夏彦も、唇をグッと噛みしめて徐々に泣き止んだ。

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