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第38話 写真

「今日はお前らどうすんだ。俺らと文化祭回るか」 「いいのか!?」  俺の提案に夏彦は嬉しそうにする。 「久世と同じ学校で同じものを体験できるのは今年だけだからな。せっかくだから、一緒に見たい」 「へー」 「ほー」  古賀と風巻がボーっとしたリアクションを取る。  俺もまさか夏彦がそんなことを考えていたとは思わなかったが、夏彦の行っていることは真っ当だった。  女子みたいに一つ一つのイベントや行事を祭りごとみたいに騒ぐわけではないが、行事は大事にする。 「俺と天野外出します!」  古賀がクラスに向かって言うと「OK~」「行ってこい!」と返事が返ってきた。  他のやつらは文化祭を回る気がないのかよくわからないが、ジェットコースターで楽しそうにしている。  俺と風巻、夏彦と古賀は一緒に文化祭を回ることとなった。  文化祭と言っても、夏彦のクラス程気合の入った出し物をしているクラスは少ない。  だが食べ物は焼きそばやフランクフルトを売っていたり、クラスの実行委員が残って運営している出し物では射的やキックベースなんかがあった。  無人のクラスは水族館や写真を撮る映えスポットの展示系である。  俺は4人で歩きながら、水槽を見つめる夏彦や食いもんを頬張る夏彦の姿を写真に収めている。 「物凄いピンクだな……」 「黄緑とか水色もあるじゃん」  映えスポットにて、沢山のバルーンやリボンに囲まれた夏彦が呆然と呟き、古賀が近くにあったバルーンをつつきながら返事をする。  Welcome!というバルーンでできた文字とアーチの下に夏彦を連れて行った俺は、スマホを構えた。 「ナツ、可愛いポーズ取って」 「か、可愛いポーズとはなんだ……」  困惑しながらも照れる夏彦をパシャパシャと連写していく。  古賀もノリノリで夏彦の隣に並ぶ。 「動脈ピースして!動脈ピース!!」 「グーハートして!!」  俺と風巻は調子に乗ってリクエストしていく。 「も、もういいだろう……久世と風巻先輩も、一緒に」  夏彦が俺の腕に腕を絡めてきた。  少しだが密着する。  甘える夏彦に俺は頬を緩ませながら、全員でバルーンの花束の一角に移動する。  内カメラで4人ギュッと固まって、パシャリと写真を保存した。 「あとは~、漫研の方に顔出すだけだな」  風巻がパンフレットで漫研の展示場所を提示してくる。  いつも教科で使用しているような教室は、美術室なら美術部、音楽室なら吹奏楽部が利用していて、大体は体育館で講演をしたり展示をしているらしい。 普段漫研は部室棟の内の一室で活動しているようだが、部室棟では展示は行わないので、本校舎の一室で同人誌を打っているようだった。

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