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【事件記録XXXX-4】

記録日時:██年██月██日 関係者:  田中(仮名) - ███株式会社 ██支社 チーフマネージャー(当時)  河野(対象者B) - ██年██月██日より勤務(詳細不明) [記録:██年██月██日 20時30分]  対象者Bの急激な適応と、部署内での評価の変化  ██年██月██日、対象者Bは職場内で急激に成果を上げ始めた。  同僚からの評価は軒並み向上し、「以前とは別人のようだ」との声が多く上がっていた。 [同僚の証言]  「前の██(河野)とは違う。本当に同じ人なのかってくらい仕事ができるようになった」  「資料作成のスピードも早いし、クライアントへの対応も完璧。ぶっちゃけ今までの██(河野)って何だったの? って感じ」  「仕事ができるならそれでいいよ。……でもあいつ、ちょっと怖いんだよな」  この功績を祝うため、部署内で対象者Bを中心とした打ち上げが開催されることとなった。 [記録:██年██月██日 22時10分]  打ち上げの開催と田中の異変  ██年██月██日(金曜日)、対象者Bの業務成績を祝う形で部署の一同による打ち上げが開催された。  田中は普段から酒に強い体質であるとされるが、この日わずかな量の酒で急激に酩酊し、嘔吐するなどの異常な症状を示した。 [店員の証言]  「最初は普通に飲んでいたんですが……途中から、顔色がどんどん悪くなっていきました」  「お連れの方(対象者B)が『吐きそうですか?』ってすごく心配していましたね」  「で、背中をポンポンって軽く叩いたんですけど、それと同時に――」 [記録:██年██月██日 22時47分]  田中の嘔吐と、対象者Bの対応 [監視カメラ記録:██年██月██日 22時47分]  [映像開始]  田中がテーブルで動きを止め、片手で口元を押さえる。  対象者Bが田中の隣に座り、軽く背中をさする。  田中が小さく首を振る。  対象者Bが田中の肩に手を置き、さらに背中を軽くトントンと叩く。  田中の身体が一瞬硬直し、次の瞬間田中が突如として嘔吐。  吐瀉物が対象者Bの服にかかる。  対象者Bは動揺する素振りを見せるも、すぐに微笑み田中の肩を抱き寄せる。  対象者Bが田中の背中をさすりながら、耳元で何かを囁く。  周囲の同僚たちは驚くが、対象者Bが冷静に「大丈夫です」と言い、田中を支えながら店の外へ誘導する。  [映像終了] [記録:██年██月██日]  田中の意識混濁と、対象者Bによる連れ出し  田中は自身の嘔吐による羞恥と動揺から、まともに言葉を発することができない状態に陥った。  対象者Bは甲斐甲斐しく田中の世話を焼く姿を見せ、同僚たちはそれを「頼もしい部下の行動」として認識した。 [同僚の証言]  「██(田中)さん相当参ってましたね。部下の服を汚しちゃったわけだから、相当気まずそうだった」  「でも██(河野)が『気にしないでください』ってすごく優しく言ってたんですよ。俺らも『お前、偉いな』って感心してたんです」  「上着まで貸してあげてて、優しいなって思った」 [監視カメラ記録:居酒屋出口 22時55分]  [映像開始]  対象者Bが田中の肩を支えながら、店の外へと連れ出す。  田中がふらつき何かを言おうとするが、対象者Bが小声で何かを囁き、田中は押し黙る。  対象者Bが田中の髪を優しく撫でる仕草を見せる。  [映像終了] [記録:██年██月██日]  対象者Bの住居への移動と、田中の尿意の抑制 [監視カメラ記録:路上 23時43分]  [映像開始]  対象者Bが田中にカバンから取り出したペットボトルの水を渡す。  田中がそれを受け取り、ゆっくりと飲み干す。  田中が歩行困難な状態となり、膝をつく。  対象者Bが田中の背中をさすりながら、顔を覗き込む。  田中が何かを呟くが、声は記録されていない。  対象者Bが田中を抱きかかえ、自身の住居方向へと移動。  [映像終了]  その後の記録によると、田中が飲んだ水には利尿剤が混入されていた可能性が高い。 [通行人の証言]  「会社帰りらしき人が、もう一人の男性の腕を掴んでるのを見ました」  「掴まれてた方(田中)は、明らかに足元がふらついてて……途中で小さく『もう、無理……』って呟いたのを聞いた気がします」 [監視カメラ記録:██年██月██日 23時57分]  [映像開始]  田中が対象者Bの腕を振りほどこうとするが、力なく崩れ落ちる。  対象者Bが田中の下腹部に手を添え、執拗に数度圧迫する。  田中が身を震わせるようにして、足を閉じる。  田中が壁に寄りかかるが、意識が朦朧としている様子。  対象者Bが田中の頬に手を添え、何か囁く。  田中の瞳が揺れる。拒絶しようとするが力が入っていない。  田中が完全に意識を失う。  対象者Bが田中を抱え、その場を立ち去る。  [映像終了]  その後田中は対象者Bの手によって、対象者Bの住居へと運ばれた。 [監視カメラ記録:対象者Bの住居前 00時13分]  [映像開始]  対象者Bが田中を肩に担ぎ、玄関の鍵を開ける。  田中はぐったりとした状態で、かすかに呻き声を上げる。  対象者Bが玄関を閉める。  そのまま田中を抱え、部屋の奥へと運ぶ。  [映像終了] [映像記録:対象者Bの自室・カメラ①(固定カメラ) 00時15分]  [映像開始]  田中がベッドに横たえられる。意識はない。  対象者Bが田中のネクタイを外し、ゆっくりと衣服に手をかける。  対象者Bの顔には笑みが浮かんでいる。  田中の衣服が一枚ずつ脱がされていく。  田中の身体が微かに動く。意識が戻りかけているのか、薄く唇が動く。  対象者Bが田中の髪を撫で、何か囁く。  田中の目蓋がかすかに開くが、焦点が定まっていない。  対象者Bが田中の頬に口付ける。  田中が弱々しく顔を背ける。抵抗の意思が見えるが、力が入っていない。  [カメラのアングルが変わる] [映像記録:対象者Bの自室・カメラ②(枕元・手持ちカメラ) 00時27分]  [映像開始]  対象者Bがカメラを手に持ち、田中の顔をアップで映す。  対象者B:「ほら、目を開けて。……ねえ、俺のこと、わかりますか?」  田中の唇がかすかに動く。音声は拾えない。  対象者B:「大丈夫、怖くないですよ。……██(山本)さんなんかより、俺のほうがずっと██(田中)さんのこと大切にしますから」  田中の指が微かに動く。弱々しい抵抗の意志。  対象者Bが田中の手を取り、指を絡める。  カメラが田中の首筋を映す。汗が滲んでいるのが見える。  対象者B:「ずっと一緒にいましょうね」  [映像が暗転] [記録:██年██月██日]  田中の覚醒と、対象者Bの支配  田中は翌未明、対象者Bの自室で目を覚ました。  田中の衣服は全て剥ぎ取られ、田中は何も身に付けていない状態だった。  田中の服は 浴槽の中に投げ込まれ、汚れたまま水に沈んでいた。  この日以降、田中は対象者Bへの抵抗を完全に諦めるような様子を見せる。  田中はこの金曜の夜から日曜日の夜に至るまで、外部との接触を絶たれ対象者Bの支配下に置かれていた。  この出来事を境に、対象者Bの田中への執着はさらにエスカレートし、田中の精神は次第に崩壊していく。

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