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相談

「ヴェルトさん、ただいま帰りました」 「おかえりカイラ君」  椅子に腰掛けて残っていたクッキーを摘んでいたヴェルトは、カイラの姿を見て微笑んだ。 「良い本は見つかったかい」  カイラが数冊の本を抱えているのを見て、ヴェルトはそう訊ねた。 「はい……あ、でもそれ以外に凄い事がありまして。マティアス・マジェスティックさんという魔導士の方にお会いしたんです」  カイラ以外の魔導士に興味が無いヴェルトは「ふーん」と素っ気なく相槌を打つ。 「それで、僕の体に呪いがかけられている事を見抜いてくれて。呪いの相談に乗ってくれるって言ってくれたんです」 「そうなのかい?」  流石にこの言葉は聞き逃せないらしく、ヴェルトは体ごとカイラに向けて話を聞く姿勢を表す。 「このままではヴェルトさんとか、他の人に迷惑をかけ続ける事になりますし……できれば、マティアスさんに診て欲しいんです。それでヴェルトさん、一緒について来てくれませんか?」  ヴェルトは一考する。  モンスター討伐をしながらミキの情報を集めているとは言え、限界があった。  ギルドのモンスター討伐の掲示板を毎日欠かさず確認しているものの、夢魔に関する情報は一切張り出されなかった。  誰かの協力が必要だ。  だが、カイラ1人をマジェスティック家へ向かわせると、ハルキオンの時と同じく何か酷い目に遭うかもしれない。 「良いよ、ついて行く」 「ありがとうございます!」  承諾の言葉に、カイラは屈託のない笑みを浮かべた。

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