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あらすじ
ひとことで言えば「紅茶にバラの花びらを浮かべて飲むのが似合う」耽美な雰囲気の演奏家ダーティ。
一見、貴族的とも言える優美な青年だが、中身はそうではない。
ディックという名の大柄な夢魔に貞操具を装着させ「ラブ」と呼んで飼い慣らしている。
そのうえ、自身の中性的な美貌を利用し女装して、エディという名を騙って男をホテルにて犯すのが趣味という性的倒錯者である。
エディ嬢となったダーティは、冒険者ギルドにてヴェルトに目をつけ声をかける。
どれほどしつこく誘っても頑なに拒み続けられたダーティはついに正体を明かし、拒み続けた理由であるカイラに興味をもった事を伝えるのだった。
カイラに会わせてくれたら夢魔に合わせるという交換条件をチラつかせられたヴェルトはカイラと相談し、明日ギルドで演奏するらしいダーティのもとへ連れて行く事にした。
ギルドの控え室でカイラとダーティを会わせたヴェルトであったが、一向に話を聞かず倒錯的な事ばかり述べるダーティのそばにカイラを居させ続けるのは不適切だと判断したヴェルトは、カイラを退出させる事に決めた。
カイラが居なくなった後、カイラにかけられた夢魔の呪いについて話す事でようやくダーティに夢魔ディックを呼ばせる事に成功する。
ディックは呪いをかけた張本人であるミキの後輩にあたる夢魔であり、ミキを守る為に嘘を吐いてその場をやり過ごした。
何も情報を得られなかったと落胆するヴェルトに対し、ダーティは好事家の集まりである「地獄の火クラブ」に招待する事を約束した。
一方、追い出されたカイラはギルドの酒場で机の木目を数え始める。
その時、仮面で顔を覆い黒い服に身を包んだ怪しげな男に声をかけられたのだ。
その男の正体は死刑執行人のハルキオンであった。混乱を招かぬよう仮面で顔を隠していたらしい。
ハルキオンの馴染みのカフェにて、カイラはハルキオンから別宅の様子がおかしいという事を聞き、原因をさぐるよう頼まれる。
簡単な依頼だが、報酬はなんとハルキオンの別宅。
カイラは依頼を受ける事にしたのだった。
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