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一方ガゼリオは…
深夜。ガゼリオは疲れ切った体をベッドに横たえて、
「あのクソジジイ……」
と弱々しく吐き捨てた。
「下の口使えねえから上の口に突っ込むってイカれてんのかアイツ」
たっぷり時間をかけて歯磨きをしたのに、養父の雄としての臭いが口に残り続ける。
そしてアイツの忌わしい白濁が、口から食道を伝って胃の中に落ちたという事実。
ガゼリオはえずき、何度か咳き込んだ。
(でも、下使われてた時よりマシだ)
貞操帯は本来は装着した者の操 を守る目的で使われる。
鍵がカイラであると設定された夢魔の貞操帯が、遺憾ながらガゼリオを養父から守った。
貞操帯に手を当て安心感に身を浸らせたのと同時に、封じられたままの男根がムクムクと膨らんでゆく。
「痛っ」
無理やり勃起が抑え込まれる感覚にガゼリオは辛そうに顔を顰めた。
呪いのせいもあり、常に雄としての欲望が疼く。
それなのに、ガゼリオはセックスはもちろん自分を慰める事すらできない。
それでも……どうしても触りたくなってしまう。
カチャ……カチャ、カチャッ。
陰茎が収納されている金属のチューブ部分を握り、左右に揺り動かす。その度に金属が触れ合う微かな音が鳴り、とても射精には至らぬ頼りない快感を味わう。
「ん……」
あまりのもどかしさにガゼリオは呻く。このまま続けていても虚しくなるだけだと分かっていながら、ほんの少しの快楽を求めてガゼリオは刺激し続ける。
カチャ、カチャカチャッ、カチャカチャ……
次第に欲望が貞操帯いっぱいに膨らむ。体が熱を帯び、燃えるような赤の瞳が情欲でとろけてゆく。
小一時間ほど自慰を続け、ガゼリオは体を火照らせながら諦観を胸に眠りについた。
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