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カイラはヴェルトのモノ
ヴェルトにお姫様だっこをされたカイラが連れて来られたのは、ヴェルトの私室だった。
物を置きたくないのか、それとも大半の物に興味が無いのか。ヴェルトの部屋には元々あった家具以外殆ど何も置かれていない。
「ちょっと待っててね、準備してくるから」
1人取り残されたカイラは、座り心地の良い椅子に腰掛けながらヴェルトを待っていた。
「お待たせ」
少し時間が経ってから、いくつかのクッションを抱えたヴェルトが廊下から現れ、それらを姿見の前に降ろす。
「今日はここがベッドの代わり」
「……まさか。鏡の前でやるんですか?」
「そうだよ。カイラ君がいつもどんな表情でセックスしているのか見せる為にね」
蒸気機関車の如く頭から蒸気をボーッと出すのではないかと思われるほど顔を真っ赤にしたカイラを、ヴェルトはひょいひょいと手招きした。
「足痛くなっちゃうからね、クッションの上で膝立ちして。……そう」
指示通り鏡の目の前で膝立ちになったカイラの背に回り、ヴェルトはカイラの寝巻きを脱がせた。
「……っ」
普段はなかなか見る事のない己の裸体。華奢 で貧相で、ヴェルトの鍛えられた肉体と比べると完全に劣っているとカイラは感じた。
しかも既にティニーが重力に逆らい「触って触って」と健気にアピールしており、それが更にカイラの羞恥心を刺激するのである。
カイラ同様寝巻きを脱いだヴェルトは、そっと少年の肉棒を大きな手で包み込んだ。
ヴェルトの手が大きいのか、カイラの勲章が小さいのか。欲望が剣士の手の中に完全に隠れて見えなくなった。
「あ……!」
「カイラ君、目ぇ閉じちゃダメだよ?」
と耳元で囁いた後、ヴェルトは欲求不満のティニーを可愛がり始めた。
「あっ♡ やだ、やだっ♡」
普段は剣を握り締めている手がどのように屹立を弄んでいるかを、無情にも鏡がカイラに見せつけるように写し出す。
「このままじゃよく見えないから指だけで扱いてあげよっか」
とヴェルトは手を広げ、親指と人差し指で摘むようにカイラの男の勲章を虐め始めた。
愛する人の手の中で肉茎が踊っている。
観客1名のエアセックスショー以来の辱めにカイラはこれ以上無い羞恥の念を覚えた。
「あっ♡ そこぉ……♡ 」
「カリの部分虐められるの大好きだもんね? でも指2本だけでイきそうなのかい? よだれ垂れてるの見えるよね?」
鈴口から蜜を溢れさせ、クッションにポタリと落ちて新たなシミを作る。
カイラが悶える姿にヴェルトも反応し、強張りを少年の尻に押し付けながら更に虐める。
「……だめ♡ ヴェルトさんっ♡ 押し付け、ないで……♡」
見えずとも、感触だけで自分の勲章よりも立派だと分かってしまう。
「カイラ君、今度は自分の顔見てごらんよ。ちんちん虐められてるのに……不思議だね? カイラ君、凄く幸せそうな顔してる」
ヴェルトの言う通りだった。10も歳の離れた男に虐められている少年……つまり自分は、幸せそうに頬を緩ませていた。
「ね? こんな顔されたら……もっと虐めたくなっちゃうよ」
指の本数を変えず、ヴェルトはティニーのカリをブルンブルンと震わせるように扱き始める。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
あまりの快感に身を前方に倒しそうになったカイラの体を「おっと」とヴェルトは空いている手で支えた。
カイラを支える手を胸へスライドさせ、第二の弱点を摘み、引っ掻き、弾き始める。
「あっ♡ イく♡ イっちゃいます……っ♡♡」
「じゃあ今度はティニーに注目。指2本で扱かれて射精するところ、2人でしっかり見てようね」
「やだぁ♡ やだ、やだ、やだぁ……♡」
「嫌なの? じゃやめるね」
射精の直前に手を離されたカイラは「~~~~ッ♡♡♡」と声にならぬ声を上げながら天を仰いだ。
「ぷっ……あっはははは!」
辛そうに顔を歪めるカイラとは対照的に、ヴェルトは実に楽しそうに笑う。
「ほら、やめてあげたよ? 良かったねぇ?」
「良くない……良くないですっ!」
目とティニーの頭から同時に涙を溢す。
「射精、射精させてください! 昨日も寸止めされて、ミキにも高められて……もう、限界なんです! 爆発しそうなんです!」
「なら鏡の前でおねだりしてごらんよ。ほら、僕がお酒飲んで帰ってきた時にやってくれたみたいにさ?」
ヴェルトの言葉です思い出したくない記憶が鮮明に甦り、カイラは頭を抱えて呻いた。
「ほらほら、早くしないと射精させて貰えないかもよ?」
「~~~~ッッ♡」
動きやすいようにとヴェルトが少々離れた途端、カイラはヘコヘコとティニーで天を|つっつき始める。
「カイラ君、両手は頭の後ろ!」
ヴェルトが命じた通りカイラは両手のひらを後頭部へやった。
「あと、動きやすいように立ち上がろうか。それと、ティニーが見えやすいようにガニ股になってみようか?」
言われた通りにしなければ碌な事にならないと知っているカイラは言われた通りのポーズを取った。
あまりにも滑稽で。
あまりにも下品で。
あまりにも淫らな姿。
腰を振るたびに懸命に重力に抗う欲望が頼りなく揺れ、ぶら下がる2つの果実が振り回される。
その痴態にヴェルトは、
「うわぁ……」
まるでたまたまテレビに破廉恥なシーンが映った時の親のように眉を顰めた。
「ゔ、ヴェルトさんがやれって言ったんですよっ!!」
カイラは涙をボロボロ溢しながら怒鳴った。
しかし射精の為に腰はヘコヘコさせ続ける。
「そうなんだけどさぁ……相変わらず腰遣いヘッタクソだねぇ、そんなんで射精させて貰えると思ってんのかい」
このままだと、また射精させて貰えないまま鉄の檻に押し込められてしまうかもしれない。
最早長期間の禁欲に耐える事などできないカイラは懸命に頭を回転させた。
「……お願いします♡ ヴェルトさんがいないと射精できないんです♡」
腰遣いで満足させられない分を補うべく、カイラは口を動かし始める。タマをキンキン疼かせながらカイラは続けた。
「白いのピュッピュするしか能のない短小ちんちん♡ よしよししてください♡」
「あの……カイラ君? そのボキャブラリーはどっから出てきたのさ」
「この屋敷にある別の恋愛小説に書かれてました」
「この屋敷の小説、もう読んじゃダメだよ」
とヴェルトは呆れの混じった声で囁いた後、再びカイラの背に回り屹立を摘み扱き始めた。
「あっ♡ も、無理……む……りぃぃっ♡♡♡」
カイラの劣情が早々に爆発し、白濁で床を汚した。
「はぁ……はぁ……♡」
束の間の快楽に酔いしれたカイラは、ヴェルトに己の背を預けるように座り込んだ。
「すっきりした?」
「はい」
「でもまだ終わらないからね」
「……はい♡」
鏡の前で、2人は更に遊戯を続ける。
互いに口付けをし合い、体を愛撫する。
「……ヴェルトさん」
「うん?」
互いに甘い声で会話をする。
「なんだか、鏡を見ながらエッチしてると……僕、もうヴェルトさんのものになっちゃったんだなぁって思います」
「嬉しい事言ってくれるじゃない。確かにカイラ君はもう僕だけのものだ。それと同時に僕もカイラ君だけのものだよ」
「……えへ、嬉しいです」
それからヴェルトは丁寧過ぎるほどカイラの体を解してやった。
「あの、ヴェルトさん。僕、もう……」
目を情欲で潤ませながらカイラが懇願し仰向けに寝転がったのを見て、ヴェルトはやれやれと両手を軽く挙げた。
「あのねぇカイラ君。せっかく鏡の前にいるんだからさ……もっと別な体勢でヤってみようよ」
「別な体勢ですか?」
キョトン顔を浮かべるカイラに邪な笑みを浮かべ、ヴェルトはカイラに手を差し伸べる。
剣士の大きな手を取り立ち上がると、
「ちょっとキツい体勢かもしれない。もし苦しくなったらすぐ言うんだよ?」
「は、はい」
それほど苦しいのか。と息を呑んだカイラをヴェルトは軽々と抱き上げた。
カイラが鏡の方を向くように、ふとももを両手で支えてやる。
「……やだ! この体勢嫌です!」
「ん? 痛い?」
「ち、違くて……」
カイラは鏡に写った己の痴態を見つめる。
無理やり両足を開かれるように抱き抱えられている為、期待で先走りを滴らせる肉茎も張りのある尻のラインもくっきり見えるのだ。
「恥ずかしい、です」
「恥ずかしいだけ? なら大丈夫だね」
と無情に告げ、ヴェルトはそのまま己の屹立を当てがった。
「……っ!」
「背面駅弁ってやつだよ。良かったね? カイラ君が軽いからできるんだよ」
ヴェルトの執拗な愛撫のおかげで雌穴と化したカイラの後孔へゆっくりと強張りを挿入してゆく。
「見えるかい? 上手に飲み込めてるよ」
「やっ♡ やぁあぁあっ♡」
「嫌? じゃ一気に挿れようか?」
間髪入れずにヴェルトは怒張をカイラの蕾へ一気に挿入した。
「お゛っ♡♡♡」
突然最奥を突かれたカイラは大きく鳴いた。
「あは……朝っぱらから凄いねぇ? いつも以上に締め付けてくる」
「ヴェルトさんこそ……なんか、いつも以上に硬くなってる気がするんですが」
「カイラ君がいつも以上に可愛いからだよ」
ヴェルトはカイラの後孔を突き上げ始める。その度にカイラにとって善い部分を全てゴリゴリと刺激され、甘ったるく下品に喘ぐ。
「自分の顔見てごらんよ。凄く幸せそうだよ」
襲い来る快感に目を潤ませ顔の筋肉を弛緩させている己の顔は……
(なんか……女の子、みたいだ)
「毎回こんな風に幸せそうに悦ぶからさ。カイラ君が嫌がったり痛がったりしたら止めるつもりではいるんだけど、止める自信が無くなるんだ」
「ぼっ♡ 僕……さっきからぁっ♡ 嫌だって、なんども言ってます……♡♡」
「『嫌』の本気度が足りない。カイラ君さ、口では嫌だって言ってるけど本当はそう思ってない。むしろ僕には『もっとやって』にしか聞こえないんだよね」
突かれる度にカイラの体が揺れる。
今は使う必要が無いと体が判断したらしく、陰茎は萎えたまま。
それが、ヴェルトに穿たれる度にふるふると震えるのだ。
なんと情けない事か。
今のカイラは雌の悦びを享受するだけ。自分が雄であると忘れたかのように、雄に嬲 られ楽器のように声を上げる。
やがて自分が何回気をやったかすら数えられなくなり、目が虚 になる。
そのようなカイラを目にして、ヴェルトは口角を上げた。
自分の支配下で愛する人が善がり続けている。
(えっと……確か、男同士のセックスで男役やるのがタチで、女役がネコだったっけか)
お喋り好きな演奏家から聞いた言葉を思い出す。
「ふぁ……ヴェルト♡ さ♡ あ……んっ♡♡♡ ……はぁ……はぁ……♡」
(カイラ君 がこんな風に悦んでくれるなんて、タチ冥利に尽きるな)
「カイラ君、そろそろ僕もイきそうだ」
最奥をズン、ズン! と突き上げながらヴェルトは告げた。
「ひぁ……♡ ヴェルトさん、も……いっぱい♡ 出して……♡♡」
とろんとした瞳の奥にハートマークが浮かんだのを、ヴェルトは確かに見た。
そして、少年の最奥にヴェルトは欲望の塊を吐き出す。
それと同時にカイラも精を無駄打ちし鏡を汚した。ところてんは陰茎の機能が狂った証拠だと未だに信じているカイラは、絶望的な……しかし、受け入れてるような表情を浮かべた。
「……ね? カイラ君、分かったでしょ? 君は虐められると悦んじゃう変態なんだよ」
「……うぅ♡」
カイラが何も言い返さないのを見てヴェルトは微笑を浮かべる。
「いつからそんな変態になっちゃったのさ」
「ヴェルトさんのせいです」
「そっか、僕のせいか……ふふ、ふふふふ」
不気味に笑いながら、ヴェルトはカイラの頬に口付けをした。
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