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第4話
熱い舌が俺の口内をまさぐる。撫でられる感覚に気持ちイイと思うが、こう言うのは初対面でやるモノではない。
「……ンン、……やめ……」
俺はそう言い、青年の舌を口の中から追い出そうと俺の舌で彼の舌を押し返そうとした。
だが、その舌を彼の舌に絡め取られ、身動きが取れなくなる。
「……や、………ソコ、……舐め……ナイデ……」
そう訴えるが、上顎を舐め上げられたら、俺の理性はもう何処にも残っていない。
最初から彼の舌に噛み付いていれば済んだことなのに、ソレが出来なかったのは、彼の巧みな指使いと彼の身体から匂って来るこの甘い香りの所為だった。
身体に力が入らない。
そして、この匂いと指使いは本能が保てないくらい俺の頭をくらくらさせ、身体の中から俺をおかしくさせていった。
ソレに、抵抗する気力もないと言うくらい、彼とのキスは濃厚で気持ちよかった。
「………は、………ンンっ………」
くちゅくちゅと舌が絡み合う水音だけがその場を支配し、俺が次、自我を取り戻したときは彼の部屋のベッドの上だった。
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