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第5話
ガタゴトと線路を走る電車の中で、蒼い昊と蒼い海を見ていた。
カモメが海面を低く飛んでいて、仕切りにその海面を叩いている情景を、流れ過ぎて行く映像のように俺はソレを見ていた。
トンネルがあって、山肌が向こう半分の窓から俺はソレを見えていて、蒼い瞳がそんな俺のことを見ていて、愉しそうに笑っているのだ。
蕩けそうなくらい、甘く、情熱的に。
とても綺麗で、吸い込まれてしまうんじゃないかと思うくらい深く、そして、壊れてしまいそうなくらい儚く、なのに、ソレは俺のことを戸惑いもなくたくさん愛してくれていた。
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