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第13話

  ソレから数日が経ち、少年の身に異変が起こった。 何時もなら、起きているハズの彼が僕が来ても全く起きようとはしなかったのだ。 どんなに眠くても、何時も日課を繰り返していた彼なのに。 不思議に思った僕は、この時初めて彼に触れたのだった。 アレ程、彼と長い時間一緒にいたのに、彼に触れたのはこの時が初めてで、最後だった。 異常としか思えない彼の体温に驚く。 湯だるような彼の熱に僕は愕然とした。 何時から? ああ、あの時から……。 そう言う僅かな異変があったことに気が付いていたと言うのに、僕は彼の異変を軽く見逃していたのだった。 彼はその日から三日間眠り続け、三日後の夜に眠った儘息を引き取った。 死因は、誤嚥性肺炎。 そう彼は眠たそうしていたあの時から、誤嚥による肺炎を引き起こして起こしていたのだ。 咀嚼を知らない彼は、ずっと呑み込み続けていたのだ。彼の両親は彼に流動食しか与えていなかったのだ。 だから、彼に取って食事は固形物ではなく、液体だけだったのだ。唯一、薬だけが彼の知る固形物であって、彼は呑み込むと言うことだけしか学ばなかった。 矢張、彼の全ては彼らだけだったのだ。  

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