42 / 92
第一章 第27話 伴侶契約。byエドガー-2
丹念にマッサージされ、香油を全身に塗り込められた。肌ってお手入れでこんなに変わるんだ!
そしてなんとレプスさん渾身の初夜着。上着がスケスケなんですけどー?!これうっすいオーガンジー ?って生地に似てる。それも下はTバック下着のみです。ぷりんってケツが丸見えなんすけど。初夜だから?
その……何度も身体は繋げてるけど儀式的なのは初めてだから?
めちゃくちゃ恥ずかしいっ! ので上からバスローブをかけもらった。
部屋に戻ると二人とも寝着に着替え終わってお茶を飲んでいた。
なんだよ二人とも。余裕じゃん。
「よっ。アキトもなんか飲むか?」
「いや。僕はいいよ」
「そ……そうか、じゃその……寝るか?」
「そ……そうだね」
「では、私が立会人になるので伴侶契約を先に結ぶといい」
クロードが穏やかに微笑む。
「えっとなんか緊張するな」
「大丈夫だ。お前のことは認めている」
クロードは第一伴侶の為、2番目以降の伴侶契約には立会が義務付けられてるらしい。
なんかクロードにみられながらってのが羞恥なんだけど。
「アキト。俺今すっげえ嬉しいよっ。俺は……お前の弱い立場を利用して婚儀まで力づくで持って行った。魔女の力を欲してるものから守るには伴侶相手が王族のほうが簡単には手出しはできない。お前の気持ちがまだ揺れてるのもわかっている。だけど俺は後悔はしてないんだ。必ずお前を俺に惚れさせてやるから……」
全部言い終わる前に僕はエドガーの顔を両手でバンッと挟み込んだ。
「いてっ……」
「馬鹿っ! 好きでもない奴と僕が伴侶になると思ってんのか! 僕は守られるだけの存在になるつもりはないよ。共に歩んでいくんだ! そのために僕は力もつける!僕こそ今よりもっとお前を惚れさせてみせる!覚悟しとけよ!!」
「アキト……かっこいい……」
「何言ってんだっ!いいかよく聞けっ!
【エドガー・ヴラド・ポーツラフ。お前はいついかなるときも僕を尊重し決して嘘はつかず裏切らず。その命ある限り僕に真心を尽くし愛することを誓え。僕はその誓いに報いて生涯のパートナーとして契約する。僕を信じろ!そしてどんな苦難にも立ち向かい僕と共にいきるのだ】」
「アキトすげえカッコいい。惚れ直した。
【内村アキト。お前はいついかなるときも俺を尊重し決して嘘はつかず裏切らず。俺にその愛を注ぐことを誓え。俺はその誓いに報いて命ある限りお前を護り、愛し続け、生涯のパートナーとして契約する。俺はお前を裏切らない。クロードと共にお前を支え続ける】」
契約呪文を言い終わると同時にキーンっとつんざく音とともに透明の鎖が現れエドガーと僕に繋がれた。
クロードの時と同じだった。そしてすぐにその鎖は消えた。
「もう昔のような過ちはしない。過去の勇者と魔女と賢者はほんの少しの行き違いでバラバラになってしまった。気になる事があれば互いに直接聞いて言い合おう。嫉妬は仕方ないけどそれを無理に隠さないようにしよう。僕は未熟だけど二人と共に歩み続けるよ」
僕は頼りないけれどこの2人を不幸にする未来なぞ望まない。
「まったくアキトは普段ふわふわしてる分こう言う時は凛として精悍だ。何度でも惚れ直してしまう」
「じやあその……ベットに行こうか?」
いきなりエドガーが僕を横抱きに抱えた。これってお姫様抱っこじやん?なになに?!恥ずかしいんだけど!!
クロードは黙って後ろからついてくる。
「クロ? 」
「今日はエドガーと伴侶契約を結ぶのだ。私は最後までお前に触れず、立会人として見届けなければならない」
クロードが少し辛そうな顔をした。
「エドガー、アキトを大事に抱いてやるんだぞ」
「わかってる。今度こそ本当に愛しあえるんだ」
今までは僕の意思がなかろうが流れのまま追われるように体を繋げていた。だが今日は違う。正式に伴侶として抱き合えるのだ。緊張してきた。
ともだちにシェアしよう!

