17 / 26
第17話◇桃川春季⑬
「初めて触れ合ったあの日より前から好きだった。蓮は? オレのことどう思ってる……?」
「好きに決まってるだろ! ああ、いつも眠った春季にしか言ってなかったっけ。愛してるよ。ずっと前から。あの日、春季に触れたのは好きだったからだ」
「嬉しい……。態度から伝わってきてたけど、言葉で伝えてもらえて……好き、愛してる」
「俺も好きだ。春季、一生離さないからな」
「うん、離さないで」
ギュウっと抱き合って、どちらからともなくキスをする。触れ合うだけだったものが、春季が誘い込むように唇をそっと開くと、吸い寄せられるように蓮の舌が春季の口腔内に潜り込んでくる。
「んん」
クチュリと音を立てて、舐め回される口蓋が快感を呼び寄せる。春季はちぅっと蓮の舌を吸うと、唇を離して潤んだ瞳と、唾液で濡れた唇を半開きの上目遣いで、蓮を見つめた。知らず、ゴクリと喉を鳴らす蓮の目の前に、おずおずと両手首を晒す。
「……ネクタイで縛って? オレのぜんぶを蓮にもらってほしい。蓮のものになりたいよ」
この関係の始まりであるこのセリフを言うことは、春季には勇気がいった。でも、蓮の瞳に熱の篭ったのをみて、引かれなかったことに、少しホッとした。
蓮はゆっくり頷くと、春季の持っていたネクタイで、手首を縛る。前と同じように、春季を傷つけないように緩めにしてくれた。嬉しそうに結ばれた手首をみる春季を、横抱きにしてベッドに下ろすと、蓮は笑った。
「本当に、あの時みたいだな。シャツ一枚に、あの時のパンツ」
「……あ、そういえば」
あの日は途中で眠ってしまった春季だったが、今日はじっくり愛されたい。見上げると蓮は少し意地悪そうに笑った。
「今日はお 仕 置 き もあるんだぞ」
「なにするの?」
蓮が取り出したのは、さっきまで締めていた春季のネクタイだった。
「そろそろ春季は後ろだけでイケそうだから、今日は頑張ろうな?」
「え……ま、まさか」
早速、春季の脚を広げると、そこに陣取った蓮はパンツの上から、さすさすと春季のちんこをなでたり揉んだりしはじめた。
「あっ、ん、んん♡」
「ちくびも可愛がってやらないとな」
「んん♡」
そう言うと蓮は、シャツの上からカリカリと的確に春季のちくびを爪でかく。蓮に躾られている春季のちくびは、それだけでツンと主張し始めた。
片手で手馴れた様子でボタンを外していく蓮は、耳朶から首筋を通って鎖骨を噛むと、強く吸い付いた。
「ひゃあん♡」
いくつも跡を残すと満足した蓮が、あらわになっていたちくびを、チロチロと舐めはじめる。
「はぁん♡ あ♡ あ♡」
反対側は指で捏ね回されて、春季のちんこは、パンツの中で窮屈そうにしている。先端の部分が先走りの汁で湿っている。蓮はそこを指でグリグリといじめた。
「ぁあん♡ れんっ♡」
「イっちゃだめだぞ」
そう言うと、春季のパンツを脱がせると、春季のネクタイで、ピクピクと反応しているちんこをぐるぐる巻きにしてしまった。
「やぁん! れん、イケないっ!」
「大丈夫。春季はアナルでイケるようになるんだ」
両手首を拘束されて、頭の上に移動してある。ちんこも堰き止められた春季は、縋るように蓮を見つめた。恍惚とした表情でこちらを見つめる蓮は、手首から脇の下まで撫で下ろすと、また同じように指先でつぅっと撫で上げていった。蓮の執拗な愛撫をされているうちに、春季はそこからも快感を得るようになった。
「はぁん♡ ふぅ、やぁん♡」
蓮は、脇の柔らかい皮膚に吸い付いてキスマークを残し舐め始める。いやらしく撫でた後を追うように、唇を這わせて、反応の良いところに跡を残す。
春季はすべてを蓮にさらけ出している状態に、恥ずかしさもあったが、悦びも同時に味わっていた。どんどん触れる場所が下がって、つま先までいくと、今度は柔らかい内腿までやってきた。
跡が消える暇のないほど蓮に執拗に可愛がられてすっかり性感帯となっている場所に、新しいキスマークが増える。
「やぁん♡」
春季の太ももを大きく広げると、蓮は欲の孕んだ目で覗き込んだ。すでにクパクパとナカに入ってくるのを期待しているアナルに、ディープキスをすると、快楽を逃すように首を振る春季の艶やかな声が、一段と甘く高くなった。
ウネウネと内壁を舐められる感覚に、思わず逃げようとする春季の腰を、蓮はガッチリ捕まえて逃がさずに解していく。
「ひぃん♡ あん♡ やぁ♡」
ほどよく解れた後孔に満足した蓮は、自ら全裸になる。蓮の勃起したペニスは、ヨダレを垂らし天を突いていた。ローションを手に取って、中指をナカに差し込みさらに緩めていく。春季も待っていたように指に絡みつく動きをみせる。ぐるぐる巻きのちんこからは涎を垂らして、春季のネクタイをぐっしょり濡らしていた。
「ああっ♡ はぁ、はぁん♡」
指が三本入ってくると、後孔のしこりをグリグリ責められる。あまりの快感の衝撃に、春季は悲鳴をあげて腰を浮かせると、キュウキュウと指を締め付けた。
イキたいのにあと一押しの刺激が足りなくてイケない。快感を逃しきれずに、涙がポロリと零れ落ちた。春季は快楽の浮かぶ瞳で蓮を見つめて強請った。
「ほしいっ! ほしいの! れんのおっきいのちょうだい!」
「可愛い春季。よく言えたな。今日はナマで春季のアナルに挿入するからな。俺の精液で春季の奥を満たしてやるよ」
蓮も春季の艶かしい痴態を前に、息を荒くして額には汗が光り、髪が張り付いていた。
「なま? れん♡ れん♡」
「よし、手は自由にしようか、おいで」
春季の手首から、簡単に外されたネクタイを、ポイとベッドの下に放られる。ついでにクシャクシャになったシャツも脱がされて、春季は全裸になった。自由になった腕で、蓮にギュッとしがみつくと、蓮がグッと春季を抱き起こす。後孔に熱い蓮のペニスが直に当たる。
「あ……♡」
なんの隔たりもなく、蓮と繋がれることを期待して、春季の秘孔はヒクリと震えた。
「愛してるよ。春季」
「あ────っ♡」
蓮の熱杭が、春季の後孔を一気に穿った。
ともだちにシェアしよう!

