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第24話◇桃川春季⑱

 玄関で、互いの渇きを潤すように激しく求め合ったあと、春季と蓮は一緒にお風呂に入った。ゆっくり高め合うように触れ合い、裸のままベッドにもつれ込んだ。 「ねぇ、蓮……舐めていい?」  春季は蓮の下肢に手を伸ばして、すでに勃ちあがっているペニスにそっと触れると、指先で裏筋を辿った。 「してくれんのか?」 「うん、したい」 「じゃあ、春季はコッチに跨がれ」 「……うん」  蓮の顔を跨がるように、春季は移動した。この体勢は初めてだ。頬が熱くなるが、春季は、蓮の勃起しているモノに顔を寄せていった。蓮の雄の匂いにクラクラしそうだ。手で支えると先端に滲む透明な雫をペロリと舐めた。美味しいとは言えないが、蓮の味だと思うと気分は高揚した。ピクリと反応するのも嬉しい。 「春季、もう少し腰を落とせ」 「うん」  蓮の吐息が乱れると、そこを丁寧に舐めた。初めてのフェラチオだが、男同士だから気持ちの良いところはわかる。下手くそなりに、春季は頑張った。 「ッ……」  蓮が時折息を詰める。春季の愛撫に感じてくれているのだ。そう思うと、さらに熱心に奉仕していく。陰嚢をやわやわと揉んだり、口腔内に亀頭を含むと幹を上下に擦る。  蓮のペニスは大きいので全部は口に含みきれないのだ。夢中になってしゃぶっていると、今まで好きにさせてくれていた蓮が、春季の尻を割開いて、ちくびと同様に開発されたアナルをチロチロ舐めはじめた。 「ぁあん♡」 「春季のコッチの口が寂しそうにクパクパしてるからキスしてやるよ」 「ひぅん♡」  縦に割れてきた春季の後孔は、蓮の愛撫を悦んで受け入れた。今日はすでに一度受け入れている。すんなり指も飲み込んでいった。前立腺を刺激されて、もう蓮にフェラチオをする余裕もない。 「れんっ♡ ほしいっ♡ コレ、ちょうだい?」 「───ッ! じゃあ、おねだりのポーズできるか?」 「うん♡」  蓮の上から降りて、ころんと転がると、太ももを抱えてみせた。 「れんの、おっきいペニス。アナルにちょうだい♡」 「春季っ!」 「ひゃうん♡」  蓮は春季をガッチリ抱え込むと一気に根元まで突き込んできた。蓮のカタチをすっかり覚えた春季の内壁は歓喜した。耳元で荒い吐息とともに春季の名前を何度も囁きながら、激しくピストンされる。 「ぁあん♡ ひうっ♡ あうっ♡」 「春季……好きだ。可愛い、可愛い」  蓮の余裕のない様子に、ときめいた春季の後孔がキュウンと、蓮の剛直を甘く締め付ける。自分に夢中になってくれる蓮の姿に、春季は独占欲も露わに脚を蓮の腰に巻き付けると、空いた手で抱きつく。一ミリだって離れたくなかった。 「れん♡ れん♡ あいしてる♡」 「俺も愛してる」 「ひぃん♡」  蓮が腰をグラインドさせると、春季の悦いところを押し潰した。二人の腹に挟まれていたガチガチになっていた春季のちんこは、その衝撃で白濁を漏らしてしまった。そのことに気づいた蓮は、ニヤリと笑うと春季の敏感なちんこの先端を執拗に弄りはじめる。 「やぁ♡ イッたばかりだからだめぇっ♡」 「ダメじゃなくて、イイだろ? 鈴口がクパクパしてるぞ」 「やめっ、なんか出ちゃう……♡ あ♡ あっ♡ ぁああ──っ♡」  プシュ、と春季のちんこから、透明な液体が吹き出した。 「春季、上手に潮吹きできたな。えらいぞ」  涙と涎でぐちゃぐちゃな春季は、荒い呼吸のまま快楽の余韻に浸っていた。愛おしそうに見つめてくる蓮のペニスは春季のナカで限界に近づいているのを感じた。 「れんも、オレのいちばんおくでイッて♡ 熱いせーえきちょうだい♡」 「───っ!」  煽られた蓮は、春季の脚を肩に担ぐと、真上から突き刺すように、何度も最奥に叩きつけてくる。搾り取るように、蓮の剛直に絡みつく内壁の中で、ひときわ大きくなったかと思うと、大量の熱い飛沫を春季のナカに撒き散らした。  春季の所有を主張するように精液を塗り込むと、蓮が春季に体重をかけて、汗ばんだ身体を預けてくる。その重みが嬉しくて、春季は蓮に腕をまわした。 「蓮はオレのもの」 「春季は俺のもの」  二人は身体を繋げたまま笑い合った。  しばらくして、春季は蓮がなにか言いたそうにしていることに気がついた。 「どうしたの?」 「春季、一緒に暮らさないか?」 「……え?」 「ずっと春季と一緒にいたい。離れたくない」 「蓮……うん、オレも」  春季の返事を聞いて、ギュッと抱きしめてきた蓮が嬉しそうに言った。 「よし! じゃあ、明日はペアリング選びに行こう」 「えっ?」  驚いた春季に蓮はニヤリと笑った。 「プロポーズにOKしたんだから、今さら断らせねぇぞ」 「蓮……嬉しい」  春季が嬉し涙を流すと、優しく指で拭い、優しいキスをした。 「明日のために、そろそろ寝るか」 「蓮、二人の手首をネクタイで縛って? 今夜は離れないで」 「ははっ! わかった。ちょっと待ってろ」   お互いの手首をネクタイで繋いで眠った二人は、翌日ペアリングを選びに出かけた。その後は、一緒に住む部屋をどうするか話し合って過ごした。    週明けには、やはり目撃者がいたようで騒がれた。しかし、二人で堂々とカミングアウトすると、あっさり受け入れられて、春季は少し拍子抜けしたのだった。  無事、一緒に暮らしはじめた二人だったが、たまに春季は蓮にこんなことを言う。 「ネクタイで縛って♡」  [完]     

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