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第二十八話 痛みを忘れるほどの優しさを※R18
※R18表現有
「ただいま」
「うん、おかえりっ」
病院を抜け出したことで、入院期間は長引いてしまった。ようやく帰ってきた凜の家は、その玄関を見ただけで泣きそうになってしまった。
「凜、今日のメシなに食いたい?」
「もーユウちゃん、病み上がりなんだから無茶しないで」
「嫌だ。凜に作りたい」
「ユウちゃんって結構強情だよね」
こつん、と凜の額に額をくっつける。彼が悠に甘いことは充分に自覚している。なんだかんだ悠の希望を叶えてくれるのだ。
「大丈夫だ、全然身体痛くないから。今だったら何でもできるぞ」
「……じゃあ、さ」
凜はひょいっと悠を姫抱きして、腕の中に閉じ込めた。
「ひどいことした分、優しくしたいんだけどいい?」
彼が何を求めているのかはすぐにわかった。正直、触れられることは少し怖い。だけど。
「……いいよ、凜がしたいなら」
悠は彼の首に腕を回して、ぎゅうと抱きついた。
「うん、絶対気持ちよくするから」
凜は額にひとつ、口づけを落とした。
「ぁっあぁっ! ひぁっ、ぁんっ!」
「ユウちゃん、かわいい……すっごいとろとろだね」
「ぁっ!? あ、んあッ!」
「ここ好き?」
「っぁ、そこっ……! あッ! んァっ、ひ、うぁっ!」
しこりを何度も指で押し潰されて、嬌声が抑えられない。凜は記憶がなかった時が嘘のように、悠の身体を蕩かしていった。
「や、ぁ、凜、だめ、イっちゃ……!」
「うん、イっていーよ。好きなだけ出して?」
「っぁ、あ、あ──!」
性器から勢いよく白が溢れる。まだ直接性器に触れられていないのに、後ろだけで達してしまった。
「っ……う……」
『いらない。アンタみたいな人に寄生する淫売、おれには必要ないから』
淫売。凜に言われたことを思い出して、自分の浅ましさに情けなくなってくる。
「う、っ、う……!」
「ユウちゃん? どうしたの? どっか痛い?」
「違っ……やっぱり俺、凜の言った通り、淫売なんだぁっ……!」
こんなに感じてしまうなんて、変態とののしられても仕方がない。こんな身体ではまた凜に嫌われてしまう。
「ユウちゃん、落ち着いて。ユウちゃん淫売なんかじゃないから」
「だって俺、こんなすぐにイってっ……!」
ぐずぐずと泣きじゃくる悠を、凜は優しくあやしてくれる。
「だいじょーぶだよ。ユウちゃんはおれとしかしたことないでしょ? それに、ユウちゃんがエロいの、おれはすっごく興奮するから」
「っ、ほんと、か……? 引いたり、嫌いにならないか……?」
「んなことするわけないじゃん。ほら触って?」
凜の手に導かれて彼の屹立に触れると、それは腹についてしまいそうなほどにそそり立っていた。
「どく、どくしてる……」
「そ。だからもっと気持ちよくなろ?」
凜が屹立を後孔に押し当てる。充分に解されたそこは、あっさりと彼を受け入れた。
「あッん、は、ぁぅっ、あ、あっ!」
「っ、やば、とろとろなのに、すっごい締まるっ……」
凜がひとつ息を吐いて、抽挿が始まる。内壁を欲望で愛されて、あられもない声が寝室を満たした。
「ぁっああッ、あンっんぅっ、あっ──! んあっ、ひあぁっ! あ、あ────!」
凜に貫かれる度に白濁が溢れる。達して敏感になった内側を愛撫されて、敏感になってしまったからまた達して。
「ユウちゃん、ユウちゃんっ……」
「凜、だめっ、ずっとイってるっ……」
「何回でもイっていいよ? ユウちゃんがよくなってるところ、いっぱい見せてっ……」
「ぁっあンっ! はぅっ、あ、ふぁっ!」
こつん、と屹立が奥に当たる。それだけで身体が甘い痺れに侵されて、脳が弾けてしまう錯覚を覚えた。
「ぁ、またイくっ、凛、りんっ、もう、ぁあっ、あ、あ────!」
「っ、ユウちゃん、おれもっ……!」
避妊具越しに欲望を注がれる。達した瞬間零れたのは、白濁ではなかった。透明な粘性のない液体が、性器から断続的に噴水のように溢れる。
「っ、ぁ、あっ……!」
「ユウちゃん、潮噴けてえらいね」
「凜、これ恥ずかしっ……」
粗相をしてしまったような感覚に襲われて、悠は己を恥じた。
「安心して? ユウちゃんが恥ずかしいって思うの忘れちゃうくらい、どろどろにするから」
そう言って凜は屹立を引き抜いて、また新しい避妊具を装着する。男の欲望を突き立てられて、また身体が快楽に支配されていく。
「ひぁんっ! っあ、凛、凜っ……!」
「ん? なぁに?」
「もうっ、どこにも行かないでっ……! あンっ、あ、あぁっ……!」
「うん、ずーっと一緒だよ、ユウちゃんっ……」
淫らな熱病に囚われたふたりは、シーツの上で強く手を握り合った。
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