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第二部 第十四話 大好きな身体※R18

「ユーウちゃんっ」 「わっ」  夕食後、流れるような手つきでソファに押し倒される。ちゅ、ちゅ、と何度も顔にキスが降ってきてくすぐったかった。 「あはっ、メシ食った後のユウちゃん、目がとろんってしててかーわい」 「ま、満腹だから、ついうとうとしちゃって……」  はむ、と唇を食まれただけで、甘い感覚に包まれる。凛の身体に手のひらを添えて──。 「……ん?」 「どしたの?」 「なんか、凛、身体が……」  やけにしっかりとしているというか、なんというか。 「筋肉質になった?」 「ん、最近鍛えてるからねー。筋トレと、合気道始めたの」 「ただでさえ強いのに……?」 「そーだよ。だってユウちゃんのこと守りたいからね」  にこっと笑った凛に、胸がきゅうと疼く。悠のために身体を鍛えていたなんて。  凛は赤いシャツの前をくつろげて、肌を露にする。その腹には、わずかに筋肉の線が入っていた。 「ほら、結構すごくない?」  引き締まった身体を見て、その色気と男らしさに胸が高鳴る。思わず手が伸びて肌に触れてしまったのは、仕方のないことだったと思う。  ぺた、と直接触ると、やはり前よりも筋肉質になっている感覚がした。 「すごい……」 「えへ、やったぁ」  ぺたぺたと身体に触れ続ける。胸から腹、腰。なんだか前よりも色気も増した気がする。  つぅ、と腹筋の線をなぞった時、ぴくりと凛の身体が動いた。 「っ、ごめん、くすぐったかったか?」 「んーん、いいよ。ユウちゃんの好きに触って?」  悠の身体には筋肉の線などひとつも入っていない。かすかに見える傷の痕が、彼が戦いの中で生きてきたことを語っていた。  ゆっくりとその感覚を確かめていると、凛が悠の手を腰の方に導いた。 「こっちも確かめる?」 「ぁ、う……」  覚束ない手つきでベルトを外して、チャックを開ける。下着をずらして現れたそれは、既に兆しを見せていた。 「……っ」  明らかな男の欲望に、ごくりと喉が鳴る。手を這わせて上下にしごくと、凛の口から吐息が漏れた。 「っ、は……ユウちゃん、じょーず」  彼が感じてくれているのが嬉しい。手を早めると、熱はどんどんと膨張していく。 「凛……」  もっと感じて欲しい。悠で気持ちよくなって欲しい。絶頂に導こうと手を動かしていると、凛の手がそれを止めた。 「一回待って?」 「なんで……? 凛のこと、イかせたいのに……」 「手でしてくれるのもいいけど、せっかくならユウちゃんのナカでイきたいなあって」  凛の手がするりと尻を撫でて、悠の性器を服越しに刺激する。 「っ、ふぁんっ……!」 「一緒に気持ちよくなろ?」  彼の屹立に触れていただけで反応してしまっていたことがばれてしまい、羞恥で顔を染める。 「凛っ……」  零れた声はひどく切なげだった。凛はくすりと笑ってテーブルの下の小さなラックから潤滑剤とコンドームを取り出した。 「っ、いつの間に、そんなの用意して……」 「だっていちいちベッド行くの面倒だったでしょ? ソファでえっちっていうのも、なかなか燃えていいよね」  凛が悠の着衣を乱していく。彼に触れられる度に、甘やかな声がリビングに響いた。 「おれの身体、めいっぱい堪能して?」  鍛え始めた雄の身体を持った男は楽しそうに笑んで、悠をソファに深く沈めた。 「あんっ、は、ぁあっ、ひぁっ! ふ、ぁッふぅっ……!」  ぱちゅぱちゅといやらしい音がリビングに響く。 「ひゃぁっ! ぁんァっ、ひ、ぅっ……! あっ、んぁっ!」 「は、ユウちゃんめっちゃ締まる……ソファでするの、気持ちいい?」 「ぁっ!? だめ、そこっ……イっちゃ、ぁ、あっ、あ────!」  びゅく、と白濁が性器から零れる。悠の身体はびくびくと痙攣して、必死に快楽から逃げようとする。けれど、凜はそれを許さない。  ぱちゅんっ! とひと際強く奥を穿たれた。 「ひぁんっ!? イった、のにぃっ……! あンっ、ああっ! ひぅっ、ぁっああッ!」 「だからぁ、ユウちゃんはイッちゃったところをこつこつされるの好きなんだよ。こーやってほら、こつこつ~って」 「あ、あ、あっ! あンっ! ふ、ぁッあぅひぅっ! あッ、あ、も、だめ、へんに、なるっ! おかしくなる、からぁっ……!」  何度も何度も、奥を屹立で突かれる。達したばかりのところに更に快楽を叩き込まれれば、もうどこにも逃げ場はなかった。 「おかしくなっていーよ? おれのウサギさん」  凜はバニーガールの格好をして以降、悠をウサギさんと呼ぶようになった。彼曰く、『ぷるぷるしててほんとにウサギみたいだから』らしい。 「ほらウサギさん、イっちゃお? 精液でソファもっとびしゃびしゃにしちゃえ」 「イ、くっ……りん、イく、イくっ……! もう、俺っ……! あっあんっ、ひぁっ、ぁ、あッっ!」  快楽の階段を駆け上がっていく。頭が一瞬真っ白になって、それまでとは異なる強い快感の波が悠を襲った。 「あっ、あ、あ────────!」  また精液が溢れる。それは赤のソファを卑猥に濡らし、情事の痕をリビングに染み込ませていく。 「んっ……!」  凜の小さな喘ぎ声が聞こえて、避妊具越しに精液が吐き出された。 「……はあ……ユウちゃん、へいき?」 「っ……は、は……うん……へい、き……」  まだ小さく痙攣している身体を、そっと抱き締められる。凜の腹筋に触れていると、彼がくすくすと笑いだした。 「ほんと、腹筋好きすぎ」 「だ、だって……」 「ユウちゃんが筋肉フェチだって知らなかったなあ。これからもっと鍛えないと」  凜は楽しそうに悠の額に口づける。 「ユウちゃんにはもっともーっと、おれにメロメロになってもらわないと」 「……もう、なってるのに……」  ぽつりと呟くと、彼はそれでもまだ欲しいの、と悠の唇を奪う。 「おれって、子どもだからさ。好きな子にはおれだけ見ててほしいんだよね」 「子どもって、自分で言うか……?」  悠は呆れた声を出して、凜の引き締まった身体に手を這わせた。

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