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第7話

 部長が自分を迎え入れる準備はとうに整っているが、それを利用してすぐに挿入したら部長の思うツボだ、と思った矢田は三本目の指も挿入する。 「っあ……!矢田くん、もう……」 「もう、なんですか?」  にゅぷにゅぷと音を立てながら指をピストンさせると、その動きに弱かったらしい部長が唇を噛む。  矢田は空いている手でその箇所を触り、噛まないようにと言ってみると、部長は存外あっさりと言うことを聞いた。 「で……どうして欲しいんですか。俺、我慢強いんで別に挿れなくても大丈夫なんですけど」 「えっ……?」 「それに、上司の許可なく勝手なことは出来ないと思いません?」  部長が目を丸くして、視線をあちらこちらへ動かし、何かを言うために口を開いては閉じるを繰り返す。  下半身が弱いタイプだったと思われてたのか、と面白くない感情を抱いた矢田は焦らすように指を動かすと、しばらくした後何かを決意したかのように部長はぎゅっと目を瞑った。 「……いれて、下さい」 「え?よく聞こえないんですけど」 「矢田くんのチンポ……僕のやらしい穴に挿れて下さい」 「あはは!いいですよ」  予想以上の言葉を聞けた矢田は興奮しているのを悟られないようにしながら、指を引き抜いてサイドボードの箱に手を伸ばす。 「なんで二箱あるのかなと思ってたんですけど、ちゃんとLサイズも買ってきてくれたんですね」 「どっちかわからなかったから……」  見せつけるように箱をゆらゆらと揺らし、側面のミシン目に手をかける。  手にした包装から中身を取り出し、陰茎に装着している時に部長は矢田の下半身を穴が空くほど見つめていた。 「見すぎですって」 「いや、ちょっとこれは予想外だな。と」 「俺ってそんな短小顔ですか?」  矢田がむっとして見せると部長はちがう、とか普通ぐらいかと思ってたらおっきくて、とか色々言い訳をしていたが、唇を塞ぐと一気に大人しくなった。 「部長、足開いて下さい。欲しかった矢田君のチンポですよ」  おずおずと足を開いて尻たぶに手をかける姿を見て、矢田の征服欲が満たされる。  もうこれは、絶対に優しくなんかしてやれない。そう思いながら矢田は屹立した己を部長の縦に割れてぷくりと膨れ上がっている窄まりに押し付ける。  びくりとした部長に矢田は笑いながら話しかける。 「本当に挿れちゃっていいんですね?」 「うん……はやく、挿れて……」  目を伏せて、はあはあと息を荒くしながら答える部長を楽しそうに見ている矢田は、その表情を崩さぬままぬるりと先端を押し込んだ。

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