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第8話
散々慣らしたおかげか、カリの部分まですぐに飲み込まれる。先端を切なそうにきゅうきゅうと締め付けている様は、まるで部長がもっと、とおねだりしているようだった。
割いる感触を楽しむように、そして今から抱く男の陰茎なんだぞ、とわからせるようにゆっくりゆっくりと腰を進める。
部長の前立腺に引っかかった時に一瞬身体が反応して目を閉じたが、それ以外は挿入されている様子を熱っぽい潤んだ瞳でじっと眺めていた。
矢田の鼠径部が部長の身体に触れる。が、動くことなくじっと部長の様子を見ている。
その挑発的な表情は、いたずらっ子のような無邪気さと、複数人と関係を持っている男の余裕とが入り混じったものだった。
視線でも嬲られている、と感じた部長は腹の奥がずくりと疼くのを感じる。
早く動いて、めちゃくちゃにしてほしい――でも、それを言ったら完全に彼へと堕ちてしまう気がする――
快楽とプライドの間で揺れる部長を、矢田は急かすでもなく、自分から動くでもなくただ見つめている。
「部長」
その声色に、表情に、全てががらがらと崩れ落ちたと感じた部長は、矢田の目を見て震える声でこう言った。
「矢田くん……動いて、僕を壊して……」
「へえ……本当に、いいんですね?」
「いい、からっ……はや……っ、あ、あ!?」
部長が言い終わらないうちにずりずりと律動を始めた矢田を咎める余裕のないほど、待ちわびた快楽に身を委ねた部長は背を反らして頭も思い切り上へと向く。
ぐるりと目が上向いた表情をベッドの上部へ向けつつ、矢田が動く度にキャパシティを超えた気持ちよさを逃すように声が漏れ出る。
ゆっくりとした動きにも慣れた頃、ようやく余裕を取り戻した部長は矢田の方に顔を向ける。
「はあっ……矢田くん、キミ……すっごくイイね……」
「長谷部長がスケベだから頑張ってるんですよ」
矢田は動く速度を変えることなく、前立腺を陰茎のすべてでぞりぞりとなぞる。
「っあ゙……きも、ぢぃい……」
その動きの虜になった部長は上品に喘ぐことすらままならなくなり、矢田は嬉しそうに笑った。
「部長、本当に気持ちいいと結構エグめの声出すんですね」
「ゔッ、ごめ、っん……!」
「俺そのぐらいの方がエロくて好きですよ。それに、部長の壊れたところ、見せてくれるんじゃないですか?まだ余裕ありそうですけど」
部長の腰を掴んでギリギリまで陰茎を引き抜き、一気に奥まで挿入させる。その衝撃で再びこぽりと先走りが溢れた様子を見て、矢田は楽しそうに部長の奥をとんとんと突いた。
「部長が満足するまではイかないんで、安心して下さいね」
その笑顔を見た部長は、あらゆる感情がごちゃ混ぜになり、背筋がぞくぞくとした。
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