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第21話

 矢田が挿入していないほうの手を胸に当て、うやうやしく頭を下げたとともに、前立腺をぐりりと押されて長谷は高めの声を漏らす。  快楽に弱い後孔が緩んだのを見計らったかのように二本目が体内に入り込んできて、長谷は目を丸くする。 「そ、んな、いきなり……」 「はは、食いちぎられそう」  目を細めた矢田はきゅ、と纏わりついてくる襞を広げるように指を上下に動かす。とんとんと膨らみをノックすると、それに応えるように長谷の先端からとろとろと液体が漏れた。 「なんか今日、前にも増して感度良くないですか?」 「だから、後ろは久しぶりだから……っひ!?」 「ふーん……じゃあ、そういうことにしといてあげます」  悪魔の角がついているのではないかと錯覚するような笑みを浮かべた矢田がぬぽぬぽと指を出し入れさせる。  そのもどかしい刺激の中でもしっかりと快楽を拾い上げている長谷の窄まりは指が動く度にふわふわと纏わりついてきた。 「ね、部長。俺の指美味しいですか?」 「おいしく、な、あっ……!」 「うそつき」  笑顔を崩さずに、容赦なく指が奥に押し込まれる。その後指を曲げたままピストンを繰り返され、ぷくりと主張した膨らみを何度も指先で弾かれた。 「やたくん、それ、無理……!」 「無理じゃないですよね?ちんこから嬉ション出てますよ?」  見ると先走りがありえない量漏れ出ており、腹と玉をこれでもかと湿らせていた。壊れた蛇口のようにとぷとぷと液体を漏らし続けるそこを、わなわなと震えながら矢田が見ていると、知らぬ間に三本目の指が入ってきていた。 「ひ、う、やたくん、僕……」 「壊れちゃいます?いいですよ。壊れちゃって」  何もかも忘れるぐらい気持ちよくさせてほしいと言ったのは間違いなく自分自身の言葉だったが、ここまで尽くされて、指先から溶かされる感覚に慣れていなかった長谷は押さえきれなくなった快楽を涙として溢れさせた。  その雫を唇で拭い取った矢田は、優しい唇とは裏腹にぐちゅぐちゅと容赦なく長谷の後孔をかき混ぜる。  ローションが泡立つとともに、長谷の絶頂感もだんだんとせり上がってきた。 「う、やたくん、やたくん……!」 「イきそうですか?」 「うん、あ、え……?」 「駄目ですよ、指でイっちゃ」  あっさりと引き抜かれた指を求めるように、快楽の行き場をなくした窄まりがぱくぱくと動く。  持て余した熱を冷ますようにふうふうと息を吐いていると、下からがさがさと音がした。  音のした方を長谷が見ると、いつの間にかバスローブを脱いでそそり立った陰茎にスキンを装着した矢田が、ぴとりと長谷の窄まりにそれをくっつけていた。 「やたくん」 「イくならこっちで、でしょう?譲さん」  ぐぐ、と押し込まれる感覚とともに、長谷はひゅうっと息を吸い込んだ。

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