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第22話
丁寧に慣らされたおかげで、存外すんなりと矢田の陰茎を受け入れた長谷は、挿入の衝撃でイってしまわないように無意識に息を止めていた。
その様子を見ていた矢田が、にやりと笑ってある提案をする。
「ねえ、譲さん。十ピストンする間、イき我慢してみません?」
「は?」
「まさか嫌とか?譲さんよわよわアナルだから耐えられないですもんね」
「誰がよわよわだ……十ピストンぐらい大丈夫に決まってる」
ふうん、とにんまりした矢田は陰茎をカリの溝まで引きずり出した。
「もしイったら今夜は抱きつぶしますからね。いーち……」
「っ……」
「にー……」
随分ゆっくりとした動きなのに、既にぞわぞわとした刺激が長谷の身体中を駆け巡り、イってしまいそうになっている自分に戸惑う。
「さーん……」
「ふ、うっ……」
「あは、もしかしてきもちいですか?よーん……」
「き、もちよくなっ……!」
正直、普通にがつがつと突かれるよりも矢田の形を感じられてしまい、内壁を丁寧になぞられているのがわかってしまう。長谷はせり上がってくる感覚に耐えながら、他のことを考えようと目を閉じた。
「ごー……ねえ譲さん、こっち見て?」
「いや、だっ……」
「なら負けってことにしますけど?ろーく……」
「は……!?」
理不尽な要求に驚き、目を開いて長谷の方を見ると蜜色の瞳に視線を絡め取られる。
自らの尻から意識を逸らさなければすぐに絶頂を迎えてしまうと長谷は思っていたが、正直この目の熱に当てられてしまってこの勝負に負けるのではないかという不安に襲われた。
「もう無理って顔してますね。なーな……」
「むり、じゃな、いっ……!」
「うーん、でも譲さんのアナルはイきそうって言ってますけど。はーち……」
「っふう、うっ……!」
矢田の軽口を挟みながらのカウントのせいで、ピストンのタイミングが微妙にズレる。そのおかげで次に来る動きの予測が立てづらく、彼が動く度に絶頂寸前まで波が襲いかかってくる。
はやくイきたい、でもイきたくない――
長谷は様々な葛藤と快楽に抗うように息を吐いた。
「意外と頑張ってますね。あとちょっとですよー。きゅう……」
「っん、う……」
「あー。でも口はきけなくなってるかー……。かーわいー……これで最後ですよ……じゅうっ」
ばちゅん、と大きな音を立てて陰茎を押し込まれ。長谷の身体が大きくびくつく。ひくひくと震えながら数度の深呼吸を終えた長谷が、弱々しく矢田を睨みつけ、小さく笑った。
「っふ……どうだ、耐えてやったぞ……」
「――譲さん。アンタ……最高だよ」
ぞくりとするような笑みを浮かべながら、矢田が自らの陰茎をもう一度どちゅん、と長谷に押し込んだ。
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