散々我慢をしていたところに強い刺激が加わって、びりびりとした絶頂感が長谷の身体を支配する。 　声にならない喘ぎを唇の隙間から漏らし、海老反りになってしばらくの間びくびくと気持ちよさに身を任せる長谷を、矢田は満足げに見つめていた。 　イった余韻で矢田の陰茎を締め付けていた長谷が、自らした動きのせいでまた絶頂へと上り詰めていく。 「あ、やだ、またイっ……ぐう……！」 「どーぞ、俺のちんぽぎゅうぎゅうしてイって下さい」 　びくん、と大きく身体を震わせた長谷の陰茎から、勢いのない精液がとろとろと溢れ出て臍の窪みに溜まる。 　それを洗い流すようにちょろ、と別の液体が噴き出したのを見ていた矢田が二つの液体を混ぜるように腹の上に手を滑らせた。 「俺一切動いてないんですけど、潮まで吹いちゃって……どんだけ俺のちんぽ好きなんですか」 「ち、ちがう、すきじゃ、ない……っあ！」 「強がらなくてもいいですよ。ちょっと突かれただけでこんな締まるんですもん。大好きーって言ってるようなもんじゃないですか」 「ほんとに、違うから……ん、う、うっ……！」 　頼むからこれ以上僕をかき乱さないでくれ、という言葉は矢田に中をかき混ぜられたせいで伝えることはかなわなかった。 　そんなに簡単に好きだのなんだの言わないでほしい、と言いたい気持ちを抑えながら、長谷は与えられる快楽に身を任せ、色々なことを考えないようにする。 　それを知ってか知らずか、矢田はあれ以上の言葉責めをすることもなく、ただ長谷の身体を味わうようにねっとりと陰茎を出し入れさせていた。 「やたくん、ぼく、また、イっ――」 「っ、俺もイきそうです」 　ごちゅごちゅと早くなっていく律動に、長谷の陰茎がふるふると揺れる。その刺激すら快感に変わっている身体に戸惑いながらも、イくための準備は万端になっていた。 　長谷が再度矢田の陰茎を締め付けると、矢田が小さく呻きながら長谷の中で陰茎をびくつかせる。 　ふうふうと何度か呼吸をした後、ずるりと取り出したそれに着けられていたスキンの中に、白い液体が大量に注ぎ込まれていた。 　長谷はそれをぼんやりする頭で見た後に、意識がふつりと途切れた。 　――と思っていた。 　ゆさゆさと揺さぶられる身体と、下半身に走る甘い痺れに反応して長谷が目を覚ますと、いつの間にかもう一度矢田が自分の中に挿入していた。 「あ、やたくん、なんで……」 「すいません、トんだ部長がエロすぎて……」 「ばか、そんなに体力もないんだ、僕は……っふ、う……」 「でも何もかも忘れるぐらい気持ちよくさせてくれって言いましたよね」 「それは、そうだが……っあ！」 　ぷくりと主張している膨らみを擦り上げられて、未だ気持ちよくなれる自分自身の身体に驚いた長谷は、矢田の笑みを少しだけ恐ろしく感じた。