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第24話
ゆさゆさと自分を揺さぶってくる矢田が、息を荒げながら話しかけてくる。
「今日は奥までいきませんから、そこは安心してくださいね」
「おく……?」
「あれ、覚えてません?前はこの奥に入ったんですよ」
行き止まりにぐりぐりと陰茎が押し付けられ、ぞわりとした気持ちよさを感じた長谷は目を見開く。
「そ、んなの、覚えてな……っう……」
「あは、言われてちょっと柔らかくなってますね……身体の方が素直だなあ」
「う、うるさ、いっ……!」
歳の割に言い方がいやらしいな、と思いながらもねっとりと中を嬲られた長谷は、言い返さないほうが得策だと感じ目を閉じる。
すると不意に口づけられ、ぢゅるりと舌が入り込んでくる。上からも下からも粘膜を刺激され、快楽が逃せない感覚に耐えきれず目を開くと、こちらを見ていた矢田と視線がぶつかった。
「なに、みて……」
「いやあ……気持ちいいのに認めない、みたいな感じがすごいそそられて」
もっと気持ちよくさせたくなりますよ、と舌なめずりした矢田を信じられないものを見るような目で見た長谷の頰に軽くキスをすると、いきなり律動を速めた。
「う、あ、そんな、急に……いっ!」
「いい顔になってきましたね、譲さん」
耳元で囁かれ、長谷の顔に熱が集まる。
こんな感情に襲われるのは、何年ぶりだろうか――
遠い目をした長谷の意識をこちらに引き戻すように矢田がごちゅ、と中をかき混ぜると、びくりとした長谷が戸惑った様子で視線を左右へやる。
「ねえ、今は俺だけ見ててくれません?」
「矢田くん、君は、どうしてそんな……」
「まあまあ。深いことは考えないで、俺に溺れててくださいよ」
酸素を奪うような深い口づけにくらくらとした長谷は、縋るように矢田の二の腕に手を滑らせる。
それを横目で見た矢田は、満足げに目を細めながら長谷を絶頂へ導くように彼の好きなところばかりを突き上げた。
「う、やたくん、も、いく……」
「……譲さん、そろそろちゃんと恵介って呼んでくれないと淋しいんですけど」
そういえばそんな名前だったか、と思った長谷だったが、下の名前を呼んだら何かが崩れてしまう気がして口をつぐむ。
「譲さん、素直に言ってくれたらイかせてあげますよ」
優しい声色で、良いところを絶妙にずらしてくる矢田に翻弄された長谷は、思い巡らせたあと震える唇を動かす。
「……けいすけ、くん」
「よくできました」
砂糖のような甘さを含んだ声を浴びながらじゅぽじゅぽと前立腺を責め立てられて、長谷の中で何かがどんどんとせり上がってくるのを嫌でも自覚する。
「う、あ、けいすけくん、けいすけくん――」
「はい、恵介くんですよー」
矢田の返事とともに奥を突かれ、長谷は二度目の大きな絶頂を迎える。
数秒身体を硬直させてふるふると震えた後に、くったりとした長谷を矢田は優しく抱きしめた。
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