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第55話
くちゅりと音を立てながら矢田の舌が長谷の歯列をなぞると、その刺激に反応した長谷の身体がぴくぴくと震える。
上顎を愛撫するようにぞりりと舐め上げると、鼻から抜ける長谷の声がいっそう甘みを増した。
長谷の口の端から一筋液体がこぼれ落ちる程激しく口づけた後、ゆっくりと唇を離すと昼の日差しに照らされた唾液がきらりと光ってすぐに消えた。
二人分の吐息が混ざり合って、寝室の空気と同化する。太陽の下で行う行為が、妙に特別なもののように感じられた長谷は、矢田の頬に手を沿わせた。
無意識に長谷の陰茎に自らの陰茎を擦り付けていた矢田は、息を荒げながら唇を重ねる。
長谷の口内を舌で弄りながらTシャツをずり上げて、両方の胸の飾りにそれぞれ親指を当てると、既にぴんと立ち上がっていたそれを潰すように力を入れた。
「んっ……ふ、う……!」
「譲さん、乳首だけでそんななって……この先大丈夫ですか?」
いたずらっぽく笑いながらくにくにと尖りを弄ぶ矢田を見て、長谷は快楽に滲んだ瞳をすうっと細める。
「うん、もっとして欲しい、な……」
口角を上げてねだる様を見た矢田は、同じくにやりと笑って人差し指を親指に添える。
勃ち上がった乳首をくりくりと摘むと、長谷の口から噛み殺したような喘ぎが少しずつ漏れていった。
充血して熟れきった乳首に矢田が尖らせた舌をぴとりと当てる。ひゅ、と長谷が息を呑むとそれを見計らったように舌で乳首を押しつぶし、その後すぐに吸い付いた。
「ん、ううっ……」
「ふは、かわいー声。これって俺しか聞いたことないですか?」
ちろちろと舌先で乳首の先端を舐めながら、いつもの調子を戻しつつある矢田が問いかける。長谷はその度に身体をひくつかせながらにんまりと笑った。
「……そうだよ?」
「ッ……!そういうとこ、ズルすぎでしょ……」
Tシャツを脱がせたあと、矢田もまた自分が着ていたそれを脱ぐ。上半身裸のまま身を寄せ合い、またキスをする。
矢田の唇が長谷の唇を離れ、首筋、鎖骨へと滑っていく。鎖骨で一度赤黒い花を咲かせた後、また唇は滑り落ちていく。
年齢の割にしっかりとしている腹筋の筋を舌でなぞりながら、臍まで唇を移動させる。
長谷が着ているスウェットパンツを押し上げている陰茎へ布越しにキスをすると、下着ごと一気にずり下ろした。
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