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第57話
矢田は日に透けて輝く長谷の色素が薄い髪の眩しさに目を細めながら、陰茎から口を離して言い返す。
「そうじゃないと困りますよ」
流れるように陰茎を口に含み、じゅぽじゅぽといやらしい音を陽光に溶かしながら矢田は頭を上下させる。
「ふ、うっ……あ……」
上り詰める感覚に長谷が無意識に声を漏らすと、それに反応するように矢田も愛撫を激しくする。
「けいすけ、くんっ……イ、く――ッ」
長谷は大きく体を震わせて、矢田の喉奥に注ぎ込むようにびゅるびゅると白い欲望を放つ。
矢田は顔色一つ変えずにこくりと飲み下すと、中央に少しだけ残した精液を見せつけるように赤い舌をべろりと出した。
「あは、すっごい出ましたね……さすがに飲みきれませんでしたよ」
「う……ご、ごめん……」
「……謝らないでくださいよ」
矢田が身体を動かして、長谷の茶色の髪をさらりと撫でる。指に軽く巻きつけて柔らかい感触を楽しんでいると、長谷は未だ勃ち上がったままの矢田のハーフパンツをじっと見つめていた。
「僕も舐めていいかい」
「あ、あー……」
「すまない……嫌なら良いんだ」
「や、違くて、その……」
照れくさそうに視線を逸らした矢田が、長谷の下腹部から下生えに手を滑らせてぽつりと言葉を漏らす。
「早く譲さんのナカに入りたいから、時間が勿体ないっていうか……」
「ッ……!」
あけすけな年下の恋人の言葉に耳まで赤くなった長谷は、目線をどこかへやりながらおずおずと脚を開く。
「実は僕も、我慢できなくて」
「……ほんとですか」
「本当だよ。じゃなきゃ、こんな恥ずかしい体勢なんかしないよ」
ほら、早く。と腰を突き出した長谷の姿を見て、矢田は目元に手を当てながら大きなため息を漏らす。
「こ、こんなはしたない姿は嫌だったかい……?」
「違う、違うんです……俺が、我慢きかなくなるから……」
恋人っぽいセックスをしたくて、だとかなるべく優しくしたいんです、だとか口の中でもごもごと音を出した後で、サイドボードにあったローションの蓋を片手で外し、長谷が見せつけている窄まりへ中身を落とす。
ひやりとした感覚に身を震わせた長谷は、嬉しそうに微笑んだ。
「……強引な君も、僕は好きだよ」
矢田はそれに応えるように、中指を長谷の中へ侵入させた。
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