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第7話 目隠しで、愛を囁く
瞼が開くと、真っ暗な世界が広がっていた
腕の拘束も前より、強くなっている後ろ手に三本の魔法の鎖で固定されている
さながら囚人のように扱われて、やっぱり勇者は俺を愛しているのではなく支配がしたいだけなんだ
ニュルンと覚えのある冷たさが胸に起こるスライムがチュウチュウと引っ張り
しびれさせるそれは時おり伸ばしたり押しつぶしたりする
熱い体が熱を持っていたことを、思い出したかのように暴れ出す
タイで結ばれたのはいまにも出したいと汁が垂れる
気を失っていたっかった
誰もいない、あの忌々しいエルフだっていない
(俺は寂しいのか?放置されたということはもう飽きたのだろうか
それならば、一気に殺してくれればよかったものの)
エルフのあの手が恋しい……寂しいと思い始めている自分に、心が傾いている
魔王は、あの時みたいな一人ぼっちはイヤだと体が悲鳴を上げる
「おい、いるんだろう。いい加減殺せ」と言ってもシーンと何も帰ってこない
部屋で、逃げたい……逃げたくない……逃げなきゃといろいろな思いがめぐる
それも追い立てるような快感ではなく緩やかな気持ちのよさに変わったからだろう
誰も俺を見ない、転生する前も転生した後も、魔王の座が欲しいだけで
すり寄ってくるやつもいたがーーーそれは俺の権限が欲しいだけなのは馬鹿でもわかることだ
誰もいない部屋で、あいつの名前を呼ぶ「リアム」と呟く
足音がベッドに近づいてくる
「よくできましたね……愛する魔王」と頭を撫でられると思わず、一人ではないことが心地よくてその手に頬をこすりつける
それを、愛おしそうに髪を撫でると
「約束ですね」とタイを開放し、手で前を上下に動かしもう一つの手は
しこりをトントンと刺激する
「もう一度、私の名前を言って……いいこだから」と言われて
思わずうなずく
「リア……ム 出る」というと最初はせき止められていたのでゆるゆるとながれ、勢いを取り戻しだす
いつの間にか、拘束が外され、抱きしめれているのを感じる
温かみにほだされそうになっているとき
「魔王の真名を教えて……」とリアムに
「おれは……」と言いかけ目が覚める
その手を暗闇の中ではじく
目隠しが外され、最初に見た顔は、とても悲しそうなリアムがそこにいた
「今日は、私の名前を呼んでくれたので許します 魔王もわかったでしょあなたを一番に愛してるのは私だということを、徐々にわかってくださいね
あなたにあるのは、もう私しかいないことを」といい
手をかざされる
眠り魔法は、意識を飛ばす時と違って、心地のいい眠りに入るようで温かさを感じる俺はもうおかしくなっているのかもしれない
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