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濡れ場がかきたいだけのやつ 真尋×静流 2 | 春日 梨夜 かすがりやの小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
濡れ場がかきたいだけのやつ
真尋×静流 2
作者:
春日 梨夜 かすがりや
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真尋×静流 2
真尋
(
まひろ
)
に触られるようになって何回か経った日、真尋は俺を前に抱きながら大きくため息をついた。 「ごめんしーちゃん、今日むりかもしんない…」 無理ってなんなの、と思っているうちに真尋の手が胸へ伸びてくる。 男なんだから胸なんて、と思ったのに思った以上に胸は敏感らしい。 「ちょっ、やだ真尋、触んな…っ、やだってば…!」 胸を触られながら首を吸われるのはさすがに俺だってやばいってわかる。 真尋の手でイッたばかりなのに俺のは反応していて真尋がそれを扱く。 「真尋待って、もういいって…っ、さっきもしたじゃん!……っ」 真尋のが俺のお尻にあたる。 そりゃそうだ、真尋だってしたいに決まってる。 そんなの分かってるけど、でもまだ心の準備も身体の準備もできてない。 「しーちゃんお願い、挿れたい…だめ?」 正直、真尋じゃなきゃ絶対にしない。そもそも俺はゲイじゃない。 真尋のことだけはちょっとだけ好きだけど、付き合ってるわけじゃないし。 付き合ってなんて言われてないのにセフレでもない、抜き友達?みたいな変な関係だけが続いてる。 俺しか抜いてないから抜かれ友達?よくわかんないけど。 「しーちゃん…?」 いつかセックスするならってその準備とかやり方を調べたことはあるけど…。 真尋の犬みたいなうるうるした目に弱くて、子供の頃からほぼ毎回折れてるような気がする。 「~~~っ、分かった、分かったから、後ろ準備してくるから待ってて…っ はじめてだから遅いかもしんないけど絶対くんなよ、いいな、待っとけよ!」 「ほんと?ほんとにいいの?後悔してもしらないよ?」 「もうお前うるさい!いいから待ってろって!」 思い切りドアを閉めて浴室へ向かう。 いいの?なんて聞いときながら嬉しそうな顔しやがって。 腹立つけど、真尋のそんな顔を見て嬉しくなる俺にも腹が立つ。 *** 部屋へ戻ると真尋はにこにこしながら待っていて、気まずさから目を逸らした。 「しーぃちゃん、おいでー?」 無言のまま近寄るとぎゅ、と力をこめて抱きしめてくる。 抱きしめ返しながらハッと我に返って真尋を見上げる。 「お前は初めてじゃないの?」 「んー?どうだろうね?」 真尋は俺を見ながら余裕そうな笑顔を浮かべる。 誰かと付き合ったとかそんなん知らないけど、なんかすごくむかつく。 「それ初めてじゃないやつじゃん! 何それ、誰とヤッたの?俺の知ってるやつ?」 「内緒、いいからちゅーしよ?」 はぐらかされたのが気になるのに、真尋とのキスは何回してもどのタイミングで息継ぎすればいいのかわからなくて、毎回酸欠で頭がくらくらする。 それをみて笑う真尋は慣れてんだろうなって思ってはいたけど。 「待て真尋、なんでお前ローションなんて持ってんだよ」 「しーちゃんと会うときはいつも持ってるよ?何があるか分かんないじゃん。 ローションとゴムはさすがにマナーじゃない?」 そんなマナーは聞いたことない、と言おうとする唇を塞がれてキスと一緒にローションで濡れた手で俺のを触る。 先走りとは違う感覚に身体が無意識に反応する。 塞がれた口の端から漏れ出る息に真尋が軽く笑ってもう一度キスをした。 「しーちゃんちょっと立ち膝して、慣らしてあげる。」 「ん、うん……」 うん、と言ったものの恥ずかしくて顔面から火を噴きそう。 ローションの音がいやらしくて真尋に抱きつくととんでもない違和感で力が入る。 「あは、きっつ。しーちゃん力抜いて?今のままじゃ裂けちゃうよ?深呼吸してね」 「そんなん言ったって…っ、んん…」 深呼吸の息を吐くタイミングで真尋の指がトン、と中の
前立腺
(
なにか
)
に触れる。 「あ…っ!?ちょ、っとま、っ、まひ…っ」 「気持ちい?」 「ん、ぅん…っ、きもち、けど…っ、」 トントン、と真尋がそこをノックするたびに声が途切れてまともに喋れなくなる。 直接触られてないのに出したい気持ちになってつい真尋に抱きつく。 真尋が慣れた手つきでゴムをくるくると下げていくのを見てまた少し複雑な気持ち。 ベッドに寝かせられて真尋を待つ俺はいったい何なんだろう。 ――俺って真尋のなんなの?好きって言ったのに付き合ってないのはなんで? ぐるぐると頭を巡る考えに泣きそうになる。 俺ばっかり好きになったみたいで真尋の顔がまともに見れない。 でも真尋が俺のことをもう好きじゃなくても、真尋とこうして繋がれるならもういいや。 「しーちゃんいい?力抜いててね?」 「……っ、いっ……、んん、ぅ…、は、ぁ…別、大したこと、ないじゃん…?」 精一杯強がって真尋に抱きつく。 少し汗でしっとりした肌から昔と変わらない真尋の匂いがした。 その匂いで頭がバカになりそう。好き以外考えられない。 「ま、ちゃ、まーちゃん、すき…っ」 「は、え?しーちゃん?もっかい、もっかい言って?」 「だ、から、すき、なん、だってば…っ お腹、くるし…っ」 抱きしめてきて耳元で「俺も好き」なんて言うから、お腹の底がきゅってなる。 「しーちゃん動いていい?まだ辛い?」 「ん、平気、好きにして、いいよ」 ギシギシと揺れるベッドの音とか、耳元で聞こえる真尋の息遣いとか、自分の聞いたことない声とか、そういうのが全部ぐちゃぐちゃになる。 痛いはずなのに気持ちよくて涙が出てくる。 「真尋、まひ、ろ…っ、あっ、んん…っ、きもちぃ…っ」 「俺も、しーちゃんの中気持ちいい…」 お腹がノックされる度に声と息が漏れて、上手く息が吸えない。 なのに息は出ていく一方で苦しい。 苦しいのに気持ちいいのと痛いのとで何を考えてるのかも、何を喋ってるのかも分からなくなる。 「も、むり、イく、イきそ、あ…っ…」 「イッちゃったの?可愛いねぇしーちゃん」 「うるせ、お前は?イけたの? …ちょ、っと待て、待って、真尋… まだ、今動くなってぇ、待っ、あっ、やだ…っ」 イけてないのはわかった、分かったけど! 真尋の息遣いが耳元で聞こえてまた変な気分がもどってくる。 こいつの息遣いだけで興奮するとか、どんだけ真尋のこと好きになってんだよ。 真尋から流れてくる汗でべたべたするのに嫌じゃない。 もっと近くに真尋が欲しい。 「もっと、ぎゅってして…っ、あっ、は…っ は、真尋、まひろ…っ」 「しーちゃん可愛い。あー、イく…」 真尋が体重をかけて乗ってくるのが嬉しくて抱きつく。 あー、ほんと好きだなぁ。 そう思うと同時に真尋の頬に軽くキスをした。 真尋も同じように返してきて二人で少し笑ったあと、真尋が俺の上からどく。 「しーちゃん、さっきの好きって本当?」 「ん、うん。でもほら、付き合いたいとかないから! お前が嫌じゃなきゃさ、またこうやってしてやってもいいよ?」 振られる前にこんな風に言うことしか出来ない。 セックスの途中の好きなんて社交辞令みたいなもんだってネットの記事で読んだ。 俺の好きは本気でも、真尋の好きは分からない。 「ね、しーちゃん付き合お?やだ? あともっかいまーちゃんって呼んで?」 「はぁ?まーちゃんとか呼んでねぇって。 付き合うのはいいけど、お前誰とヤッたの? さっきからずっと気になってんだけど!」 「ヤッてないよ?俺今の今まで童貞だったもん。 しーちゃんがキスもセックスも初めての相手なんだけど? …何その顔。疑ってるでしょ。」 衝撃的すぎて顔に出てたのか、俺の眉間を指で押す。 自分の頬をパンパンと叩いて、ついでに真尋の頬も軽くぺちんと叩く。 「えぇ、俺も叩くのー?」 「なんかむかついた。」 あんな慣れてる感じ出しといて童貞とか嘘っぽいけど、まぁいいや。 やっと付き合えたんだし、今は信じといてあげよ。 真尋が「
静流
(
しずる
)
」と呼んできて顔を見ると唇が触れる。 仕方ないから、たまには静流って呼ぶのも許してやろーっと。
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春日 梨夜 かすがりや
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