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第10話 蓮の秘密
俺は隣で寝ている蓮の顔を見ながら思う。こいつと会ってから、もう三年になるがいまだに、
首を噛んではもらえていない。自分の首をそっと触りながら、蓮の口に指を添える
いつにななたら蓮は俺を番にしてくれるのだろうか……
もしかして蓮に限ってないだろうが、もてあそんでいるのだろうかと思い、俺はずきんと張れれたように痛む心臓を感じながら
「早くしてくれよ……俺だってさ」と若かりし頃の自分に戻ったかのような気分になる
虚しくて悲しいと俺らしくもなくな涙がつたう
指で拭うと蓮の肩に、寄り添いながら頭を預ける
*
*
*
*蓮の思い*
肩に濡れる風見さんの涙を、感じながら申し訳ない気持ちと、ここまで来たかという嬉しさが同時にやってくる。風見さんの警戒心をとくために、なるべくいい子にしていたのがよかった
俺は、本当は独占欲が強て、早く噛んで番にして、僕だけの風見さんにしたかった……
でも、壊れた風見さんにしたいんじゃなくて、風見さん自ら俺に噛んでほしいと思わせたいし
言わせたい。でも素直じゃない組長がそこまで俺の事を、考えてくれるとも思えなくて不安だったけど、今の行動に、思わず寝たふりをやめて、噛んでしまいたいくらいにカワイイかった
俺のΩはかわいすぎる
あとで、チョーカーを買おう。それも、特別付け心地のいい高級な素材のものをきっと、黒が似合うだろうな?でも、俺の目に合わせた、茶色でもいいなと顔が緩む
まだ足りないよ、風見さん。俺のところまで早く落ちてきてよ
そしたら、風見さんを思いきり包み込んで俺しか目に入らないようにもっと強く愛してあげますから……俺は、あなたしかいらないんですから
テレビをつけながら、速報です
「自由鷲党の水嶋議員が汚職で逮捕されました
また、オメガの誘拐事件接待にも、関わっている嫌疑をかけられていますとアナウンサーの女性が言う 「怖いですね。一大事件ですね」とコメンテーターが言っているのを耳障りに思いながらテレビを消す
(何もわかってないのに、分かったことを言うな……)
でも、わいろの受け渡しを根回ししといてよかった。うまくリークしてくれたみたいだ。
あの秘書も限界が近く、席を外した瞬間に撮影をした
次の選挙をちらつかせたらすぐに乗ってきた。本当に汚い。
でもこれからも使えるコマとして風見さんのために動かせるようになりそうだ……。
風見さんを傷つけたあの忌々しい男はみじめにホームレスをしているようだ
。顔を直せないまま……それは、俺がくぎを刺したからだ。もし風見さんにもう一度会ったら迷わず殺すことと、命が惜しかったら、そのまま、怪我を治さずにいること
そうじゃなければ探し出して、死よりも痛いことをすると少し脅してみただけだ
震えながら、漏らしてたっけ? 本当にぬるいなと俺自身思うけど、風見さんが聞いて傷つくことはしたくないんだ。 だって、風見さんが思い悩むのは俺だけのことでいいんだから……
眠っている風見さんの顔を触りながら、うっそりと笑っている自分に驚きながら
あともう少しだと言い聞かせる
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