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第11話  噛んでくれないα

組長はあいつの話に触れることもなく、何事もなかったように生活をしている ニュースを欠かさず、チェックする風見さんが知らないはずないんだ…… 風見さんの顔を様子見ていると 「おいバカ、なんだ仕事をしろ」と頭を小突かれる 俺たちのしのぎは、ネットで顧客集めをするいわゆるキャストのブログを管理している フリフリの服を着たオメガが、手で目を隠している 風見さんも、こういう格好してくれたら嬉しいのになとニマニマとみてると 「鼻の下伸ばしてないで……早く更新しろ」と言われる 結局、こういうのを書いてるのが……ヤクザだとは思ってないだろ なにか、画面をジーっと見る組長が、ちらっと見えたがまた怒られそうだから、突っ込むのをやめた                     *                   *                   * *風見視点* くいるように、俺のキャストを見ていた写真が見えたのであのバカの頭を小突いた (白いフリフリのベビードールがすきなのか?俺に色気がないから噛んでもらえないのか……イヤイヤ、男らしくないだろう。でも蓮が好きなのなら考えなくもない。ほかのやつだったら相手の歯を折るくらいの勢いで殴りかかったいたことだろう……) ヒートはつい先日来たばかりだから来ないし、そんなに俺は香りが出ない……考えたくもないがやっぱり出来損ないオメガのだろうか…… 俺は、ズンと鉛のように落ちていく気持ちを無理やり浮上させながら (俺の、誕生日に言おう。もしダメだったら、俺はどこかに雲隠れしよう  もう、組長としてもしばらく機能できなさそうだからな……) 前を向いてパソコンを操作する手はわずかにふるえていた                        *                        *                        *  家出、蓮が料理をしながら、それを見ながら隣でコーヒーを飲む俺に                        誕生日が近づくにつれ元気になっていく、大型犬と誕生日が近づくごとに沈んでいく組長の対比が凄かったように感じた 「風見さんの誕生日もうすぐですね……どうしてそんな、乗る気じゃないかんじなんすか? 」といいながらよくきゃんきゃん吠えるなと思っていると、ぬるっと舌を入れられるようなキスをされた 「コーヒーの味だ……おいしい」 「なぁ、おまえなー」と蓮の頭を叩く 「で、どうしてですか? 」という蓮は逃がしてくれようもない…… 「この年になって、今更だろう。大騒ぎする年でもあるまいしい」と口を触りながら言う 「風見さんの年は、風見さんの生きてた証なんですから、何歳になってもおめでたいことなんですから……」 (よく恥ずかしげもなく言えるなと苦虫を食ったようなかをしてしまった。まったくかわいげのない、オメガがいいなんんて……やっぱり番になりたくない理由でもあるのか?……もしかして、遊びか? 遊びなのか?)と頭の中が整理できなくなり、少し涙ぐんでると 「どうしたんですか?風見さん!」と大きな声で近づいてくる 「……何でもない」というとあやすようなキスをしてくる蓮の髪を指で絡める ――お願いだから、この気持ちが俺意外、誰も気づかないで

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