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第三章 宮殿へ
異国から導入した、最新の火薬投石器。
クーデター軍は、それさえあれば例え相手が竜将であっても、勝てると自信を持っていた。
だがしかし。
「背後より、投石と火矢が! 雨あられのように!」
「な、何!?」
エディン軍の投石により火薬壺は割れ、中の黒色火薬がむき出しになった。
そこへ、火矢の攻撃だ。
火を得た火薬は、たちまちのうちに燃え広がり、周囲を火の海にした。
それだけでは、無い。
まだ被害を受けていない火薬壺の導火線に着火し、次々と爆発を引き起こさせたのだ。
もはや敵味方なく、ただこの場を破壊し、焼き尽くす火薬。
クーデター軍の兵士たちは、そこかしこへ逃げ惑った。
「ぐ、ぐぬぅ……!」
将軍は歯噛みして悔しがったが、すぐに次の手を打った。
「作戦変更! 前進し、王宮へ踏み込め。王族を捕え、人質に使う!」
さすがに軍のトップともなると、切り替えと決断が早い。
エディンより早く王族の元へとたどり着き、彼らを交渉の駒に使う作戦だ。
すでに敗戦処理のたぐいだが、この際四の五の言ってはいられない。
将軍を筆頭に、兵士たちは王都の門を打ち壊し、宮殿へとなだれ込んだ。
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