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「ひとつ、立ち合いを願いたい」 「立ち合い、ですか?」  実は、とエディンは理由を話し始めた。  それは、極めて政治的な内容だった。 「クーデター軍の幹部、及び重犯を犯した兵士らの処罰なのだが」 「はい」 「軍事裁判の結果、公開処刑と決まった」 「えっ!?」  あまりにも重い処罰に、アルネは思わず声を上げていた。  処刑だけなら、まだ解らないでもない。  しかし、それを民衆の前に晒すとは! 「この案は国防総省で可決し、仮王陛下も承認済みだ」 「兄上も?」 (穏やかな性格のお兄様まで、こんな苛烈な罰に賛成するなんて……!)  そしてアルネは、まるで食後のデザートのように、さらりとそれを口にするエディンに震撼した。  やはり彼は、竜将。  冷徹な武人なのだ。

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