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『クーデター軍の幹部、及び重犯を犯した兵士らは、公開処刑と決まった』
こんなエディンの言葉に、アルネは青ざめた。
何という、重い罰だ。
彼らにも、家族はいる。
その目の前で、命を奪うとは。
唇を白くして、言葉を失ったアルネに、エディンは淡々と続けた。
「仮王陛下は入院中、王妃様は足を折って動けない。そうなると、もはやアルネ殿下しかない」
「私に、この国のトップとして、処刑を見届けよ、と?」
「さすがは殿下。呑み込みが早い」
エディンは長い指を組み直して、さらに畳みかけるように言った。
「公開処刑は、王都の中央広場で行う手筈だ」
「そんな具体的なことまで、すでに決定しているのですか」
「執行は、明後日。死刑執行人は、この私」
次々に繰り出されるエディンのカードに、アルネは眩暈を覚えていた。
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