29 / 372

4

『クーデター軍の幹部、及び重犯を犯した兵士らは、公開処刑と決まった』  こんなエディンの言葉に、アルネは青ざめた。  何という、重い罰だ。  彼らにも、家族はいる。  その目の前で、命を奪うとは。  唇を白くして、言葉を失ったアルネに、エディンは淡々と続けた。 「仮王陛下は入院中、王妃様は足を折って動けない。そうなると、もはやアルネ殿下しかない」 「私に、この国のトップとして、処刑を見届けよ、と?」 「さすがは殿下。呑み込みが早い」  エディンは長い指を組み直して、さらに畳みかけるように言った。 「公開処刑は、王都の中央広場で行う手筈だ」 「そんな具体的なことまで、すでに決定しているのですか」 「執行は、明後日。死刑執行人は、この私」  次々に繰り出されるエディンのカードに、アルネは眩暈を覚えていた。

ともだちにシェアしよう!