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 正午になる前から、広場には大勢の民衆が集まっていた。  群衆事故や暴動を防ぐ目的で、長く続く高い柵が設けられ、警護の軍人も配置された。  処刑反対のプラカードを持った者は、間近での観覧を制限され、広場は物々しい雰囲気に包まれていた。  大勢の戦争犯罪者が連れ出され、その中に知る顔を見つけた人間は、泣いた。  子どもも大人も、人目をはばからずに、泣いた。  やがて、最も高い位置に据えられた椅子にアルネが掛け、次いでエディンが広場中央に現れた。  法務大臣が、この公開処刑の正当性を厳かに述べる間、二人は互いをちらりとうかがった。

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