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第十章 ごほうび

「いつまで、この国に滞在していただけるのですか?」 「いつまで、この国に御厄介になってもいいのかな?」  朝食の席で、アルネとエディンはこんな会話を交わしていた。  混乱した国内を平定する作業は、大体めどが立った。  民衆は落ち着きを取り戻し、日常が訪れる日も近い。  戦死した国王の葬儀は、波乱なく執り行われた。  戦犯が荒れた畑から脱走しないように見張っていたのは、エディン率いるネイトステフの軍人らだ。  しかし、新しい王国軍の体制が整った今、引継ぎを行っている最中だ。  これが終われば、エディンの職務も完了。  本国・ネイトステフへの帰還が、迫っていた。

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