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「それはさておき。我が軍を、城下町へと招き入れてくれたことを、感謝する」 「こちらこそ、ありがとうございます。おかげで経済が回り始めました」  遠征に野営、さらに戦闘と疲れきったエディンの部下たちは、テミスアーリンでの宿泊を許された。  この大陸の広域で使用されている、共通通貨で支払いは可能だ。  ネイトステフは隣国で、しかも友好関係が長く続いている。  第二外国語として学ぶのはテミスアーリンの言語で、しかも方言程度にしか違わない。  言葉に不自由することも無いので、皆喜んで城下町へと入ったのだ。  温かな食事と、ぐっすり眠れるベッド。  酒に、音楽に、賑わい。  ようやく味わう平穏は、彼らを喜ばせた。 「しかし。衣食住が足りたおかげで、今度は家族が恋しくなり始めたようだ」 「みんな、ネイトステフに帰国したいのですね」  それは、当然の成り行きだろう。  アルネには、充分理解できた。

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