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「有事が起きれば、すぐに出陣するのが、私の仕事だ。今日明日には戦死するような男とは、一緒にならない方がいい」 「そんな……それで、寂しくはないのですか?」 「別に。もう、慣れた」  アルネは言葉を失ってしまった。  ただ、心にどっと沸いてきた思いがあった。 (この孤独な御方を、癒してあげたい……!)  そんな、強い感情だった。 「竜王殿下。そのまま、椅子に掛けておられてくださいね」 「ぅん?」  ここは食事用のダイニングなので、侍従が何人も控えている。  アルネは彼らを人払いして、外に出した。  今ここにいるのは、エディンと二人きりだ。 「アルネ殿下。一体、何をお考えで?」 「竜将殿下に、ごほうびを差し上げます」  唐突なアルネの申し出に、エディンは首を傾げた。

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