49 / 372
4
「有事が起きれば、すぐに出陣するのが、私の仕事だ。今日明日には戦死するような男とは、一緒にならない方がいい」
「そんな……それで、寂しくはないのですか?」
「別に。もう、慣れた」
アルネは言葉を失ってしまった。
ただ、心にどっと沸いてきた思いがあった。
(この孤独な御方を、癒してあげたい……!)
そんな、強い感情だった。
「竜王殿下。そのまま、椅子に掛けておられてくださいね」
「ぅん?」
ここは食事用のダイニングなので、侍従が何人も控えている。
アルネは彼らを人払いして、外に出した。
今ここにいるのは、エディンと二人きりだ。
「アルネ殿下。一体、何をお考えで?」
「竜将殿下に、ごほうびを差し上げます」
唐突なアルネの申し出に、エディンは首を傾げた。
ともだちにシェアしよう!

