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第十二章 新しい関係

 過去、家族からの愛情を受け取れなかった分、アルネに甘えたい。  そんなエディンの幼い願望を、アルネは真正面から受け止めた。 「解りました。心ゆくまで、御滞在ください」  だが、その代わり、お願いがあるのです、と続けた。 「その代わり、私のことは、アルネと呼んでいただきたいのです」  これには、エディンが慌てた。 「一国の王子を、呼び捨てるなどと。そんな無礼を働くわけには……!」  武人であるエディンには、軍の階級社会が身に沁み込んでいる。  礼儀は、絶対におろそかにできない男なのだ。 「イヤですか? ならば、どうぞ今すぐ、ネイトステフにお帰りいただく用意を……」 「解った! 解ったから!」  こんなエディンの様子を、いたずらっぽい眼差しで見るアルネだ。  二人の関係は、ここまで親密になっていた。

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