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「では……私も、エディン、と呼んでいただきたい」
今度はエディンが、アルネに願った。
竜将でもなく、閣下でもなく、殿下でもなく。
「一人の男として。親し気に、呼んで欲しいのだ」
これには、アルネは首を傾げた。
エディンのフルネームは、フェリックス・エディン・ラヴィゲールなのだ。
「竜将殿下のファーストネームは、フェリックス、では?」
「うん。確かに皆、そう呼ぶ。しかし」
しかし、アルネ殿には、エディンと呼んで欲しい。
彼はそう言って、さらに畳みかけた。
「何なら、エディ。この際、エド、でもいい!」
「つ、詰め寄らないでください!」
アルネの悲鳴に、我に返ったエディンの顔は真っ赤になった。
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