58 / 372
3
「申し訳ない。つい……」
「どうして、そこまでこだわるのですか?」
「私にとってアルネ殿は、特別な存在だからだ」
今度は、アルネが真っ赤になる番だった。
(と、特別、って。それって、それって、つまり……!?)
「ぼ、僕なんか。僕の、どこを気に入ってくださったのですか?」
一人称が『私』から『僕』に替わってしまった、アルネだ。
それほど、取り乱していた。
突然アルネに質問を投げかけられたエディンだが、彼の方まで、落ち着きを無くしていた。
「いや、その、つまり。もし、何か勘繰られたのなら、申し訳ない」
殿下に対して、不埒な真似はしない。
そう、宣言した。
ともだちにシェアしよう!

