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第十四章 旅を控えて
エディンとアルネは、急いで旅支度を整えた。
特にアルネは、わくわくとした希望も一緒に、リュックへ詰めた。
「二人で旅行、だなんて。ちょっぴり、期待しちゃうな」
月の砂漠をラクダで歩み、緑のオアシスで憩い……。
「そこで、ロマンチックな……」
ロマンチックな口づけを、まで考えて、アルネは両手で顔を覆った。
身をよじらせ、恥ずかしがった。
「いけません、エディン様!」
そんなことを繰り返しては、そのたびに我に返った。
「ダメダメ、こんな浮ついた気持ちじゃ、ダメだ。母上のお薬を探しにいくんだから!」
それでも、何かを期待せずにはいられない、アルネだった。
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