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「エディン様は、皆に慕われているのですね。素晴らしいです」
「え!?」
「僕も、そのような人間になりたいな」
「……」
なぜか赤くなって、視線の定まらないエディンだ。
「どうかなさいましたか?」
「いや、あの、それは、つまり……褒めてくれたんだな?」
あ、とアルネは気が付いた。
エディンは、褒められることに飢えていたのだ。
愛されることに、乾いているのだ。
そこでアルネは、にっこり笑った。
爪先で立ち、背をうんと伸ばした。
腕も伸ばして、エディンの頭を、よしよしと撫でた。
「とっても、素敵なことですよ」
「う、ぅむ。ありがとう」
(嬉しい……嬉しい!)
アルネに頭を撫でてもらうエディンは、喜びと安らぎを噛みしめていた。
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