69 / 372

4

 道案内は、旅慣れた商人を3名選んだ。  若いが、幼い頃からキャラバンの一員として経験を積んで来た、ベテラン揃いだ。  すでに、いつでも出発できる準備は整ったのだが、エディンはアルネと城下街に出た。 「もう一人、同行したいという人物がいるのだ」 「やはり、若者ですか?」 「いや、初老の男性だ」 「熟練の商人、ですね」 「いや、熟練の鍛冶職人だ」  アルネが不思議そうな顔を作った時、エディンは足を止めた。 「ここだ。この鍛冶屋の棟梁なんだ」  アルネの不思議そうな顔は、すぐに驚いた顔に変わった。 「やぁ、竜将閣下! 待たせたね、剣は仕上がったよ!」  元気な大声に、鼓膜が破れそうだ。  目をぱちぱちさせたアルネだったが、もう一度驚くこととなった。

ともだちにシェアしよう!