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第十五章 エディンの剣
少年の無邪気さで、エディンの長剣を握ってみたいと思ったアルネだ。
だが、竜将の返事は固く冷たかった。
「断る。子どもが持つものじゃない」
「えっ」
いつものアルネなら、子ども扱いしないでください、と怒るところだ。
しかし、声を掛けることすらできないエディンの厳しい表情に、彼は怯えて口をつぐんだ。
(これまで、僕たちは仲良くできていたのに)
やはり、生粋の武人であるエディンには、近づけないのだろうか。
寄り添っていくことは、できないのだろうか。
張り詰めた空気を破ったのは、鍛冶屋・ロビーの陽気な大声だった。
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