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「また始まったな? 竜将閣下の思い込みが! いいじゃねえか、貸してあげなよ!」 「いや、しかし」 「どうせまた、これは呪われた剣だから、とか考えてるんだろう!」  ロビーの指摘に、エディンはアルネを見てうなずいていた。 「そうだ。私の手に渡ったばかりに、この剣は何人もの命を奪ってきた」  そんな血塗られた剣を、アルネに持たせたくない。  エディンなりの、思いやりだったのだ。 「こいつを持つと、君も汚れてしまうから」 「エディン様」  エディンの湿った声音に重なるように、再びロビーの大声が響いた。 「鞘に納めりゃいい! 別に、これから人斬りしよう、ってんじゃないんだ!」

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