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「うっ!」 「ど、どうした、アルネ!?」 「お、重い、です!」 (父上の王冠より、重い! 兄上の大剣より、重い!)  両手で持ってもフラフラしているアルネを、ロビーは笑った。 「俺でも鍛えるのに手間取ったからな! アルネ坊ちゃんには、まだまだ無理だよ!」  ちょっとカッコよく構えて見せよう、などと思っていたアルネは、降参した。 「確かに、僕の考えが甘かったみたいです」  すぐに剣を持ち直すと、エディンへと大切に手渡した。 「すまなかったな。事前に、どのくらい重いのか言えば良かった」 「いいえ。僕こそ、興味本位で、持ってみたい、なんて言い出してごめんなさい」 「しかし、アルネに剣を持ってもらえて、嬉しい」 「えっ?」  なぜですか、と問う少年に、エディンは少しためらった後、打ち明けた。 「私が武芸に励んだのは、両親に認めて欲しかったから、と以前に言ったな」 「はい」 「だが、そう簡単にはいかなかったし、逆に恐れられるようになってしまった」

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