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「聞いての通りよ! 竜将閣下も、アルネ坊ちゃんを大事にするんだな!」  男二人は口げんかに似たやりとりを続けていたが、アルネは頬を染めていた。 (他の人から、僕たちはそういう風に見えるんだ……)  それは、嬉しいことだった。 「アルネ、もう行くぞ!」 「えっ? は、はい」  顔を赤くしたエディンは、馬の手綱を取った。  先にアルネを乗せ、自分も馬にひらりと飛び乗ると、もう逃げるように鍛冶屋を後にした。  馬上のエディンは喋らなかったが、アルネはその表情に、こっそり口の端を上げていた。 (エディン様、お顔が真っ赤だ)  きっとアルネ同様、ロビーの言葉に照れているに違いない。  密かな喜びを胸に秘め、アルネは馬に揺られていたが、ある看板が目に止まった。

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