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「冷たい飲み物や、水に浸したタオルを受け取って、お付きの方は店外へ出ていかれましたが、彼女はすぐに察したのです」
『あの人の連れって、暑さにやられちゃったんじゃないかしら?』
『店内へ入れば、日陰で涼しいのになぁ』
『もしかして、ここまで来る元気も無い、とか!?』
そう考えたアミエラは、水をたっぷり入れた桶を二つ手に下げ、カフェの外へと飛び出して行った。
「桶に二杯も!?」
「アルネ。君の母上は、力持ちなのか?」
「いいえ! そんな素振りは、全く!」
しかもアミエラは、その水を国王に思いきりぶちまけたのだ。
ぐったりと力なく座り込んでいるところに、突然大量の水を掛けられた彼は、ひどく驚いた。
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