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(確かに、私はアルネに好意を抱いている。しかし……!)
その年の差は、10年。
まだ十代の、18歳の少年を。
しかも、一国の王子を相手に、恋に落ちる。
(こんなことは、許されるのか!?)
エディンの頭の中には、様々な思いが渦巻いている。
ずっと黙り込んでいる彼に、アルネは寂し気に声を掛けた。
「ごめんなさい。困らせてしまったようですね、僕」
「いや、その」
「一方的に好きになったりすると、ご迷惑ですよね」
「その、あの」
するりと、アルネの体が、エディンから離れていく。
滑らかな腕までほどかれ、去っていく。
「いや、違う。そうじゃない」
エディンは思わず、アルネの白い手首を握っていた。
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