99 / 372

4

(確かに、私はアルネに好意を抱いている。しかし……!)  その年の差は、10年。  まだ十代の、18歳の少年を。  しかも、一国の王子を相手に、恋に落ちる。 (こんなことは、許されるのか!?)  エディンの頭の中には、様々な思いが渦巻いている。  ずっと黙り込んでいる彼に、アルネは寂し気に声を掛けた。 「ごめんなさい。困らせてしまったようですね、僕」 「いや、その」 「一方的に好きになったりすると、ご迷惑ですよね」 「その、あの」  するりと、アルネの体が、エディンから離れていく。  滑らかな腕までほどかれ、去っていく。 「いや、違う。そうじゃない」  エディンは思わず、アルネの白い手首を握っていた。

ともだちにシェアしよう!