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一方、エディンは大急ぎで部屋を片付けていた。
「アルネが、今夜忍んで来る、だと!?」
手入れの済んだ武器を収め、まとめてリュックへ放り込んだ。
床に敷かれた絨毯は、何だか埃っぽい。
回廊へ出て、一番手近な使用人に頼み、新しいものを持ってこさせた。
ベッドのリネンは、毎日取り替えてある。
それでも念には念を入れ、洗い立てのシーツなどを準備した。
そこまで整え終わり、一息ついた時ふと気づいた。
気付いてしまった。
「……待てよ?」
エディンは、アルネとの会話を思い返した。
『今夜、エディン様のお部屋へ行ってもいいですか?』
『……この気持ちが冷えなければ、おいで』
『エディン様になら、僕の純潔さえ捧げても構わない」
「夜に私の部屋へ来る、とアルネは言った。それだけだ。ただ、それだけなんだ」
純潔さえ捧げても構わない、と言った。
だが、純潔を捧げます、と言いきってはいないのだ。
エディンは、頭を抱えてしまった。
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